287羽 ページ40
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それから時間が流れ、試合はOBチームの勝利に終わって終了した。
「若先輩、あの。」
試合後の牛島にプレーのことで話しかけたAを、金田一やたちはひやひやしている、と言う感じの目で見ている。
「やっぱ白石さんってすげえなぁ。」
「こういう場面見るとそう感じざるをえねえな……。何のためらいもなくウシワカに……。」
まあ、そんな風に驚いた2人だが、すぐ日向が「牛島さん!」と声をかけに言ったことに更に目を丸くする。
「レシーブのとき何考えてますか!」
日向の純粋な目。ただひたすらに強さだけを求め、それ以外は何も考えていない。相手は自分が春高への予選で倒した相手という事さえ。
「……じゃあ、失礼します。」
そんな日向の思いを汲んで、Aは静かにその場を去った。
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体育館の片づけが終わった、監督陣からの話も終わった。――それはつまり。宮城県1年生選抜強化合宿、全日程終了ということだ。
「終わったな!!」
「終わったね……疲れた……。」
伸びをしながら日向とともに歩くA。そんな2人に「おい!」ととある人物が声をかけてきた。
そちらをみると気まずそうな顔の金田一。2人を見て更に顔を渋くした後、「なんでもない。じゃあな。」ときびすを返した。
「なんだよ!」
「気になる……。」
2人の声に立ち止まると、首を95度くらいこちらに向けながら言いずらそうにいう。
「か、影山は元気か。」
そんな金田一にきょとんとした顔の日向と、薄ら笑いを浮かべているA。
「?おう。」
「テスト期間以外はね。」
「……そうか。」
「なんで?」
「なんつーか……昔とは大分プレースタイル変わってたしよ。」
金田一は相当北一時代のことを気にしているらしい。日向は分かっていないが。それに気づき、Aはあえて黙っていた。こういうときは日向がどうにかしてくれる、そう分かっている。
「A!」
その自信を抱きつつ、五色に呼ばれたためにそこを離れた。
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時