266羽 ページ19
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中断された練習はスパイク練習であった。見たい、そのよくはあるがゆっくり練習を見ている間もない。人手がないというだけあってやることがたくさんあった。
ドリンク、タオルの用意から備品点検、ボールの空気入れにぼろぼろになったボールの処分。更には備品の買出しや夕食の材料の買出し、給湯室の確認など何から何まで……。
「(こりゃ人手欲しいわ……。)」
ドリンクとタオルの用意を終え、備品点検をして足りない物を確認したAは調理を担当している人物から買ってくる材料などのメモを受け取り、まるでおつかいかのように施設を飛び出した。
「白鳥ちゃん、急がしそうやね。」
「……そうっすね。」
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「この信号を右でいいのかな……。あれ、でもここさっきもこなかったっけ……あー、都会わかんない……。」
Aはなれない都会の町を右往左往していた。迷っている時間などない。一刻も早く戻って給湯室の確認をし、選手達の様子を見なくては。
「どうしたもんかな……。」
はぁ、とため息を1つこぼすと「え。」と背後でどこか聞き覚えのある声がした。振り返ってみると、驚きを隠せていないという感じの表情をした孤爪がいた。一気にAの中で安堵が生まれる。
「研磨さん……!」
「え、あ、うん。」
なれない土地で若干迷子。そんな状況で知り合いである孤爪に出会い、Aは滅多に見せない明るい表情を見せて孤爪に駆け寄った。当然、見慣れないAの表情に戸惑った孤爪が若干引き気味に対応する。
「何、してるの。こんなところで。」
「まあ、事情は少し話すと長いんですけどとりあえず、」
「研磨さーん!」
「研磨ー!」
Aが目当てのショッピングセンターへの道を聞こうとしたとき、遠くで誰かが孤爪を呼んだ。また聞き覚えのある声だ。Aと孤爪は同時に声の主のほうを向く。
「クロ、リエーフ。」
「黒尾さんとリエーフ……夜久サンもいる……。」
言葉をこぼした2人。そして孤爪を呼んだ2人にその付き添いの保護者のような貫禄を持って隣を歩いていた夜久が孤爪の隣に居た人物の影のおおよその予想から359度別のところに居た人物に目を見開いた。
「え、A!?」
「なんでいるんだ!?」
「しかもなんで研磨と?」
3人に一気に疑問を投げかけられたAは苦笑いして言う。
「とりあえずこのショッピングセンターの場所教えてもらっていいですか?」
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時