40コール 何処 ページ42
*
「珍しいじゃねえか。手前から電話なんて」
彼は笑った
私は驚いて、暫く何も云えなかった
『………しました』
「ん？」
『心配しました！』
何故か、大きな声が出た
『せめて、電話ぐらい出てくださいよ！』
わかってる
彼は大事な任務の最中だったのだ。電話にでれるわけがない
彼が困ったように笑って「悪ぃ、ごめんな」と電話ごしに云った
『………今、何処にいるんですか』
「んー…手前は？」
なんだかはぐらかされたような気がした
『私は、今、…家の近くです。あの…十字路のところ…』
「手前、早く帰れよ。こんな時間まで何してたんだ？」
貴方を探していたから、未だに家に帰っていないんだ
それなのにそのいい草はなんだ
理不尽にも、ちょっとムッとした
『………別に。貴方には関係ないでしょう』
「何不貞腐れてんだよ」
『不貞腐れてなんかいません！』
「いや、絶対ぇ不貞腐れてる」
『う、五月蝿いですね！』
なんだかいつもと逆だった
『それより、今何処にいるんですか！』
「何処だと思う？」
『わかりません。だから聞いているんです』
きっぱり云うと、「手前も云うようになったなぁ」なんて笑われた
一向に答えてくれない
「なんでそんなこと聞くんだ？」
『貴方に伝えたいことがあります』
「何を伝えたいんだ？」
『…直接会わなきゃ云えません』
「……そうか。それじゃあ、直接会わなきゃだな」
『そうです。だから、今何処に…』
と、
私の言葉は十字路に響いた靴音に遮られる
反射的に靴音のした方を振り返る
そこにいたのは_____
「＿何だ？“伝えたいこと”って」
目の前と電話から
二重に彼の声が聞こえた
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水瀬琥雪 - うぅ…好きです！！こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (
レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った？wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか？よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
