君とは違う【skt】

46.信じてる ページ48

Aside


さ「え、うん」

『お、俺、悠が好きだ……いつからかは知らねえけどさ』

『最初からそばにいてくれて、親父や莉子からも助けてくれて、』

『ずっと一緒にいたいのは、むしろ俺のほうで……』

一拍置いて、悠の反応を待つ

さ「そ、それは……俺と付き合いたいってことでいいの？」

『あ。いや。そ、そうじゃなくてさ、』



『俺、今まで恋人とか居たことないし』


『もしお前が俺と付き合ってくれたとしても、キスとかそういう恋人っぽいことをするのかって考えたことあって』


『なんか変に緊張しそうで怖いし、どうすればいいかわかんないし』


『そのだから付き合って欲しいんじゃなくて、好きってことを知ってて欲しかったんだ。それだけだ』


告白って言うのは、想いを打ち明けること。これだって立派な告白だ。文句なんて言わせねえ

とはいっても、これで嫌われる確率を減らすための逃げって意味もあるけど


さ「……じゃあさ」

急に悠から抱きしめられて動揺する。暖かくて落ち着くが、力が強いので少し苦しいかも

さ「待っててもいい？」

『な、何を？』

さ「Aが俺と付き合いたいって思うまで。それまでは友達で全然いい」

俺の好きな悠は優しくて、ちょっと抜けてて、いざとなったらかっこよくて、

何よりも、安心させてくれる。俺は俺でいいんだって。だから好きなんだ。今の言葉だってそうだ




さ「ってかさっきの理解されてなかったん？あれ告白のつもりやったんだけど……」

『そうだったのか!?』

俺そこまで鈍感ってわけじゃないと自分で思ってたし、さっきのだっててっきり友達って意味だと感じていた

ということは？悠も俺を好きってことで良いんだよな？で、でも俺……

『お前が好きな女じゃないし……女だけど、そうじゃないっつーか』

さ「そんなん気にせんわ。俺は女の子だから好きってわけじゃなくて、Aが好きなの」

そう言われるとさらに抱きしめる力を強くする悠。

恥ずかしさで一気に顔が熱くなり、心臓の高鳴りが増す


『ご、ごめんな、なるべく早くなるように頑張るから』

俺も悠を抱きしめ返す。今俺が言えるのはこれくらいしかない

さ「急がなくてええよ？俺らのペースで頑張ろ」




考え方が狂ってるし、

恋愛観は普通じゃないし、

まともな人間なんかじゃない


でもそんなの関係ない。それでも信じてくれる人はいる


俺は俺を生きるだけだ。









END

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