子作りしよっか？【HQ】【短編集】

二口 堅治 ページ5

歩「サンタさん、来るかなぁ。」


二口「あゆむがいい子にしてたら来るんじゃない？」


今日はクリスマスイブ。


あゆむとパパはクリスマスツリーの飾り付けの真っ最中。


私はそんな可愛い会話を聞きながら、ケーキを作っている。


貴女「あゆむ、今年は何頼むの？」


去年は確か、戦隊ものの変身ベルトだったかな？


あれ、あまりにも人気でどこのお店にも無くて、
パパが何件も回ってやっと買ってきたんだったよなー


俺は立派なサンタさんだ…！

とか、堅治が言ってたんだっけ。(笑)


歩「決まってるよ！」


二口「何々？何にするの？」


歩「パパには教えなーい」


貴女「ママには？」


歩「どっちにも教えなーい。
でもね、それがあったら、きっとママもパパも喜ぶよ！
僕もすっごくほしいの！」


貴女「あれ？あゆむ、もうサンタさんにお手紙書いたの？」


歩「あ！！書かなきゃ！」


慌ててテーブルに向かう姿を見て、
堅治と顔を見合わせて笑う。


明日が楽しみだ。

**************************************

二口「あゆむ、寝たよ」


貴女「ありがとう」


イクメンなうちのパパは子供のお世話をよくしてくれるから、
私はとっても幸せ者だと思う。


貴女「今年はなんだろうね？」


二口「出してみるかー」


堅治がクリスマスツリーの脇に置いてある、赤い大きな靴下の中を覗く。


二口「あったあった」

中にあった封筒には


サんタサんえ。


と、下手な字で書いてある。


でも、あゆむにしてはきれいな字だ。
頑張ったんだろうな。可愛いやつめ。


堅治は手紙を取り出して読んでるのだけど、
読み終わったらしいのに
こちらに手紙を渡してくれない。


黙って、難しい顔をしている。


貴女「堅治？どしたの？貸してかして」


二口「……俺は別にいいけど、」


そう言いながら、手紙を渡す。

中には、


サんタサんえ。

ぼくは、クりスまスに。
おとうとがほしいでス。
リゆうは、ほいくえんのおともだちが、
おとおとがいるからでス
わがままでごめんなさい、
いつでもいいでス・
おねがいしまス・

と、書いてあった。

貴女「…」

頬が熱くなるのが感じる。


…気まずい。


ドサッ


貴女「？！」

二口「……サンタさんへのお願いなんだから、聞いてあげなきゃダメだよな？なぁ、サンタさん。」

貴女「え…あは……」


二口「俺もちょうどそう思ってたし、一石二鳥だ」

嫌なんて言わせねーよ？

クリスマスの二人のサンタさん。

牛島 若利→←孤爪 研磨

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