狂う ページ23
たまーに見かける、突然の理性の崩壊。
実際、耐えきれないことを言われたりされたりすれば怒りたくもなるものです。(ポンポン怒っていたら際限ないですけども)
何らかが理性という名の張られた糸を剣で両断しない限り人間そう簡単に理性プッツンして意識が飛ぶように怒ることはないでしょう。何たって理性というのは人間のリミッターであり、簡単に切れてしまうようなことがあれば多分…石器時代くらいに人間は滅んでいたでしょう。
ではどういう時にプッツンするのか。
それを物語を書く上ではっきりさせておくのは、私は一つ重要なポイントだと思っています。
例えば、自分が(依存と言えるほど)好きな相手、自分が誇りを持っている特技やら信念。
でも少し貶されたくらいで怒っていては逆に自分が信じていないと、自分の価値観がそのくらいの軽い言葉で崩されてしまうのではと思われてしまう可能性があります。
なのでキーワードや、暴言の中でも一番言われて欲しくない言葉を言われた時、もしくは何らかの条件が揃った時のみ…と言った条件付けがあるといいのではないかと、私は思います。
”ーいじめっこ視点ー
「あのこと」を私が口にした瞬間、彼女を取り巻いていた空気がガラリと変わった。
今までは何を言われていてもヘラヘラとしていて、それがどうしても気に入らなくて、彼女がいつも手にしているその小説を取り上げて言ってやったのだ。
こんなボロボロの本を買い換えるお金もないなんて、やっぱりあんたのお母さんが騙されたっていうのは本当なんだ、と。
急に感情が抜け落ちたように上がっていた口角がすとんと下がり、閉じられる。
ゆらりと音を立てずに椅子から立ち上がり、私に向かって手を差し出して、返して、と小さく、でもはっきりとそう言った。
いつもとは違った雰囲気に私はびっくりしたのか虚勢を張るように、取れるものなら取ってみればいいじゃないのと、その本を仲間の男子に投げた。
だって、そんなくらいでビビっていると思われたら、私が今度は下に見られると恐れたから。
でも彼女はそのまま小さくため息をついた。
普段なら話し声やら笑い声で聞こえなかっただろうけれど、あまりにも異質な空気に誰もがそれを聞こえたほどに静かで、男子はヘラヘラと、冗談だってば、な、と私の肩を叩きながら彼女に小説を返したのだった。”
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咲 - 小説を書こうとしてる身にはとてもありがたい話だらけでした…。見てて納得できたし、とても共感できてたくさん学ばせていただきました!ありがとうございました!! (10月24日 21時) (レス) @page30 id: 80ab2a2641 (このIDを非表示/違反報告)
あやにゃん(プロフ) - 名無しさん» 名無し様、コメントありがとうございます。 読みやすく、共感してくださったのならば光栄です! (2022年4月7日 19時) (レス) @page19 id: da8251f691 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 文章がすごく読みやすくてびっくりしました。考えの表現の仕方はもちろんですが青い文字で例文(って言えばいいのか?)が載ってるのもすごく理解が深まりました。内容もすごい共感しました。あまりコメントとかしたことがないので失礼があったらすみません。 (2022年4月6日 21時) (レス) id: a2d88fee75 (このIDを非表示/違反報告)
あやにゃん(プロフ) - 鈴蘭さん» 鈴蘭様、コメントありがとうございます! こちらこそお役に立てたようなら幸いです! (2022年3月12日 18時) (レス) @page22 id: f26db8afe6 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭 - 共感する部分もあったり,「へぇ、こーゆー事考えてる人いるんだ!」など,色々学習させて頂きました!有難う御座います𓈒𓂂𓂃 (2022年3月6日 15時) (レス) @page9 id: 523004035f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2017年4月26日 7時