あなたが囁く愛は大きい 【反応集 / 文スト】

「あなたの好きなものはなーんですか！」 ページ3

🌸「 あなたの好きなものはなーんですか！」



　｜中島敦 🐯

「えぇ、なに？いきなりどうしたの」

　突如として尋ねれば、困惑の言葉と共にふにゃりとした屈託のない笑顔が表情に浮かびます。
　手にしていたココアが揺蕩うマグカップを机上に引き戻し、ソファーへと腰を深く沈めました。あなたの隣に座った彼は、頭を預け回答を焦らすように、「んー」なんて悩む素振りをしてみます。

　少し焦ったあなたに彼は笑みを浮かべて、体を起こすとあなたの口にリップ音と共にキスを一つ。


「ふふ、Aちゃん」



　｜太宰治 🤕

「私の好きなもの？お嬢さんかなぁ」

　あなたが欲しい回答を理解した彼は、突如とした問いに特に驚きもせずへら、といつものように飄々とした回答を寄せます。
　あなたの名前ではなく、お嬢さんという女性全体を指す言葉に妬いたあなたの頬は膨れ上がりました。

　拗ねた様子で立ち去ろうとするあなたを抱きすくめ、覗くようにキスを落とします。


　「うふふ、Aちゃんの考えなんてお見通し。嘘、私の好きなものは君だよ」



　｜江戸川乱歩 🍭

「無論駄菓子。あとは社長とー、幻想怪奇でしょー？」

　あなたの問いに、間髪なく駄菓子が一番最初にあがりました。理解はしていました、理解していたと云えど……!!
　う、と心を打たれていれば、間延び的な声で好きなものを上げようと指を折り始めます。長くなりそうな気配がしてあなたはストップを入れようとします。

　その時、彼に腕を引かれて躰が彼の逞しい胸の中へダイブ。キスが降ります。


　「まぁ、お菓子のように甘い君が一等好きだけど？」




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