検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:5,537 hit

坂田優 ページ3

「優君、この間の有栖院財閥のお嬢さん、お嫁さんにどうかな」

「優ちゃん、このお洋服なんか似合うんじゃない?」

「優坊ちゃま、そのようなことしては旦那様に迷惑が」

「優坊ちゃま、好き嫌いは」

「優坊ちゃま、そんなに動き回っては怪我を」


坂田優。坂田財閥の一人息子。

過保護で金持ちな親の元、すくすくと元気な少年に育っていきました。

…なんてことがあるわけがない。あれしちゃダメ。それしちゃダメ。優ちゃんがしていいのはこれだけよ〜って…ふざけんな。俺はお前らの人形じゃない。

好き嫌いをするな、というのは分かる。人に迷惑をかけるのも良くないことだ。でも、あの父親にならいいじゃないか。あいつは俺の事を考えているふりをして、実は金の事しか考えていない。その証拠に。俺は昔、あいつに質問をしてこう返された。



『なんでこんな服着てパーティーに出なあかんの?』

『それはね、お客様によく見てもらうためだよ。この子は将来有望だ、と思ってもらえれば、スポンサーが出来てお金が入って来る。だから、優君はいい子でいるんだよ』


金が入って来るから良い子でいてね。


6歳にして親に失望した瞬間だった。それ以来俺は父親が嫌いだ。母親は自分の趣味を押し付けてくるから嫌いだ。メイドとかは過保護すぎて嫌いだ。俺の好きにさせてくれない。


そんな俺の唯一の暇つぶしの相手になる使用人が、うらさん。

浦田渉。俺より年上。四つくらい。他の召使もみんな年上だが、俺は敬意を払ってないから敬称は付けない。俺がさん呼びをするのはうらさんだけ。うらさんは俺の事をよくわかってくれている。俺が嫌がることはほぼ事前に避けておいてくれるし、話し相手もしてくれる。俺と対等に話してくれるのが、いつも嬉しくて仕方がない。


家以外での話し相手なら、志麻くん。

まーしぃ、とかも呼んだりする。月崎志麻。財閥の息子。俺と同じ境遇で、親同士も上辺だけなら仲がいいから会う機会が多くてよく遊ぶ。似たような悩みの同じ年の子は他にいないので特別仲がいい。


「坊ちゃまって呼ぶの、いい加減やめて?」



_______親のあの嘘が許せない。

定例晩餐会→←月崎志麻



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
114人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , あほの坂田 , 志麻
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちゃそ | 作成日時:2018年11月20日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。