第二百二話『相応シイ』 ページ45
太宰がポートマフィアを抜けて三年経った。
原作でも四年経っても空席だったのにも関わらず
何故、席を埋めることにしたのか。
『……その席に座られる方は?』
森は肘を机に置いて目を細めた。
森「……君だよ、芥川龍之介君」
……無理だ。
瞬時に頭に浮かんだ言葉がそれだった。
自分が人の上に立ち、部下を従える経験はまだ無い。
しかもそんな力も知識も足りない。
『……ご好意、感謝致します。しかし僕では到底、無理かと……』
森「他の幹部には明日の午前に会議を開くと伝えてある。
芥川君、勿論君にも参加してもらうから忘れないように」
『……あの、首領。僕はまだ承諾した訳では』
森「……?首領の命令は?」
『……ぜっ……絶対……です』
森「宜しい」
コノヤロウ、ここで首領という名を出しやがったな。
職権乱用だ。訴えてやる。
……訴えたところで、何も変わらないが
森「誰にでも初めてはある。
芥川君、私は君が幹部に相応しいからお願いしたんだ。
……やってくれるね?」
『……首領の仰せのままに』
跪いて頭を垂れる。
原作とかけ離れた事になってしまって芥川は内心焦っていた。
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中「よォ、芥川」
『……中原さん、お久しぶりです』
その夜、憔悴しきっている芥川を見兼ねて中原が彼女を飲みに誘った。
いつもの居酒屋に行き、カウンター席に座る。
中「……手前はまた飲まねぇのか」
『……はい、僕は烏龍茶で大丈夫です』
それに貴方が酔ったら誰が運転するんですか。
……と心の中で呟いて枝豆を食べる。
そして一時間もすれば案の定、中原はベロンベロンに
酔っ払った。
中「……手前もなぁ……もうちっと甘えていいんだぞ〜」
『……はぁ』
中「ンな遠慮してたらいつまでも駄目だぞ〜?」
『……はぁ』
中「聞いてんのかァ!あくたなわ!」
『……芥川です』
暫くうだうだ云っている中原を軽くあしらっていると
隣の席に誰か座った。
人が多くなってきたので退散することにする。
『……中原さん、明日も仕事です。帰りましょう?』
時刻は午前十一時。
滞在は約一時間ほど。
『……中原さん?』
中「…………ぐぅ」
『……嘘だ』
寝やがったぞこの人。
体を揺すっても背中を叩いても起きやしない。
「お困りですか、お嬢さん?」
後ろからの声に芥川の動きが止まった。
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時