・ ページ33
L.K
「……まぁ、薄々分かってはいたが。……お前ら涙脆すぎないか」
「「「「だれ"の"ぜい"だど！」」」
動画公開の翌日。案の定、部屋の前にはべそべそと涙で顔を濡らした寮生たちがひしめき合っていた。
この間と違うのは、今回はラギーも向こう側だということ。というか、ラギーが筆頭なこと。
呆れたようにため息をつけば、寮生たちが声を揃えて喚く。あーうるせぇうるせぇ、耳取れるからやめろ。
「……ほら退け。俺は今から授業行くんだよ」
「「「だっで寮"長"！」」」
「あーもう、帰ったら言いたいこと聞いてやるから今は退けろ！」
今日は行かねぇとクルーウェルにどやされるんだよ。と、そう言えば。ゾロゾロと寮生たちが道を開ける。
その間を通り抜けて寮の入り口へ向かえば。ちょうど学園へ向かおうとするジャックと鉢合わせた。ジャックの目元も少し赤いが……こいつも泣いたのか？
首を傾げる俺に気付いたジャックが、尻尾をぶんぶんと振りながら此方に近づいてくる。……ま、ついでだし一緒に行ってやるか。
「おいジャック、行くぞ」
「！……え、学園にですか？」
「それ以外にどこ行くんだよ」
俺が笑えば、ジャックが恥ずかしそうに「そうっすよね」とはにかむ。
そのまま鏡を通って学園に向かえば、この間のデジャヴか？と言いたくなるような光景。トレイやケイトに絡まれーートレイにはもう怒っていないと言われたーー、ヴィルやルークには頭を撫でられた。やめろ。
それから、ジャミルにまで気にしていないと言われた。……ちっ、草食動物の思い通りになってる気がするな。
取り敢えず一時間目の魔法薬学だけ出て、それ以外は植物園でサボることにした。視線が鬱陶しくてたまったもんじゃねぇからな。
そして昼休み。いつものようにラギーに飯を買いに行かせ、俺は日の当たる場所に横になる。
十数分で戻ってきたラギーは、俺に飯を渡しながらぽつりと溢した。
「……でも俺、安心したっス」
「何がだよ」
「レオナさんが、俺らに愛されてるって自覚してくれてて！……ほら、この間の動画の時に愛されてますねって言ったら、は？みたいな感じだったから」
そう笑うラギーの顔がやけに眩しくて。語るラギーの声がやけに嬉しそうで。俺はただ、「そーかよ」と呟くことしか出来なかった。
……ま、あの歌詞を見て一番に出てきたのがコイツらだったんだからしょうがねぇだろ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 715人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉音 - リクエストよろしくお願いします！！ オクタでMafiaをマフィアっぽくやっていただけると嬉しいです。お願いします！！ (8月15日 15時) (
レス) @page4 id: d629310a98 (このIDを非表示/違反報告)
菜々美(プロフ) - リクエストいいですか？イグニハイド寮で、プロセカをプレイしてほしいですね！ (2023年5月2日 1時) (レス) id: 4d3d2a834d (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - レオナさんが贖罪をｯｯｯｯちょっと発狂しながら踊り狂ってきます(((( (2023年2月27日 23時) (レス) @page31 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
Ray - ロ/メ/オなんでイデアとシルバーなんだ？と一瞬考えたけどそういう事か！つまり声y((殴 (2022年8月16日 2時) (レス) id: aecf2fd8ab (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - キャラは思いつかないので主さんが決めてください！ (2022年5月8日 11時) (レス) @page4 id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年10月24日 17時
