私と兄とお友達【USSS】

ごじゅうはちわ ページ10

「…？鍵、あいてる…？」



まさか、閉め忘れて行ってたの…！？



泥棒とか入ってたらどうしよう…



少しドキドキしながら扉を開ける



「あ、…よかった…」



荒らされた様子もなく、綺麗なままの部屋



「…？」



…でも、うちってこんなに綺麗だっけ…？






なんでかわからないけど鳥肌がたった



いや、綺麗だったよきっと



大丈夫。荒らされてるならともかく、そんな様子もないし



ケーキの箱を持つ手が震えるのがわかる



『にゃー』



「…！たま！」



私の部屋にいるのだろうか



少し遠くから鳴き声が聞こえた



そうだよ、うちにはたまがいるし大丈夫



自分の家に入るだけでなにをこんなに怖がっていたのか



早く戻らないと、みんな待ってるし



靴を脱いで、キッチンの方へ向かう



キッチンから物音が聞こえる。久しぶりのにおいにたまがはしゃいでるのかもしれない



「たーま！ただい…ま…」



彼女「おかえりなさい。Aちゃん」



キッチンには、見覚えのある女性



私が絶対に忘れられない女性



彼女「旅行は楽しかった？」



彼女は当たり前のようにエプロンをつけ、キッチンで調理をし



二人になった時に見せたあの不気味な笑顔よりももっと歪んだ瞳で、私を見ていた



血の気が引くって、こういうことだと思った

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