イケメン転校生は超ドSでした【そらる】

さんじゅうに ページ33

＿＿＿薄暗い、寒い家。

玄関には、申し訳程度の一万円。

『…今日も女、』

“＿A、Aっ…”

“＿大丈夫よ、大丈夫、だか、ら…”

毎晩のように夢に見る、お母さんの最期。

“お父さんを支えてあげて”と遺した彼女が、今のお父さんの姿を見たら何と言うだろう。

『…あの、くそじじい…、』

ピコン♪

私の暴言を掻き消すかのように、LINEの着信音が響いた。

開いてみると、思いもよらぬ彼から。

・

一ノ瀬くん多分お前にLINEするのも最後になると思う。お願いだから、もう俺に話しかけるな。隣の席だから多少は仕方ないと思うけど、できるだけ話しかけないでほしい。迷惑なんだよ

一ノ瀬くん相川とお幸せに。片思いが実って良かったな

『っ、なんで、なんで、？』

理解が追いついた途端、涙が止まらなくなった。

今度こそ、完全に拒否されてしまった。

理由？そんなの分からない。

嫌われるようなことをした覚えもない。何なら感謝されていい様なことをしていたんだ。

なのに、なんで、突き放したりするの？

・

『…一ノ瀬くんも、お父さんと一緒じゃんか…、』

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