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まふまふside





身体のあちこちが痛む。

重たい瞼を上げると灰色一色の天井が目に入った。

ゆっくり身体を起こす。ズキっと痛むお腹を反射的に右手で抑えた。

でもそんなことより、Aは?無事なの?という疑問が頭に浮かぶ。あの戦場に彼奴が手ぶらで戻ってきたと言うことは連れてかれた訳では無いのだろう。

でも怪我とかしてるかも、。

そんな思いで僕に繋がっている管を全部抜き、痛む身体を引き摺り救護室を出た。


救護室5は誰も居なくて使われていないようだった。と言うことは怪我は特にしてないのかもしれない。救護室3からは話し声が聞こえてきて、坂田とうらたさんに志麻くん、そしてセンラくんが居ることが分かる。

此処じゃない。


救護室2は布団がぐしゃっとめくれている様子から、うらたさんが休んでいたのだろう。


となるとやっぱり、此処か。

そらるさんが休んでいるであろう救護室1の扉は開いていた。中を覗くと探していた人物。大丈夫そうで良かったと思うと同時に、やっぱりそらるさんの所に居たんだと思った。

その小さな背中を見つめる。

分かってる。僕にとってAが大事なように、Aにとってそらるさんは大事で特別な存在なのだ。

僕の世界を変えてくれたのはAだけど、Aの世界を変えたのはそらるさんなんだから。


またずきりと傷口が傷んだ。

nqrseという吸血鬼をあと少しで殺れたのにっ、。

後から現れたニコニコした吸血鬼に一瞬でやられた。悔しい。一匹に対して三人がかりでやっとあそこまで追い込んだ。

だけどそらるさんは一人で互角に闘ってた。

そらるさんが遠い。追いつきたくても追いつけない。


そりゃあ、Aも憧れるよね。



『っ!まふ?!』



いきなり呼ばれた名前にビックリして前を向くと、焦った顔のAが僕の元に駆け寄っていた。

そして僕の腕を優しく掴む。



『目が覚めたの?まだ寝てなきゃダメだよ。』



「、、心配した?」



なんて、当たり前なことを聞く僕は弱いのかな。

ただ、君からの言葉が欲しい。目が覚めた時横にいて欲しかった。手を握っていて欲しかった。

我儘ばかりが溢れる。



『心配したに決まってるっ、』



顔を歪めて泣きそうなAが僕を優しく抱き締める。

その温もりを零さないように僕も彼女の背中に腕を回した。






・→←▼遠い存在



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とこ(プロフ) - 七星さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます!続編もよろしくお願いします (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - Haoto-ハオトさん» ありがとうございます!嬉しい限りです、 (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - 瑠海那さん» ありがとうございます、続編もよろしくお願いします! (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
七星 - 久々にこんなに面白い話に出会いました…!!!!!ゆっくりでも良いので続編お待ちしております。 (2021年6月6日 16時) (レス) id: f91053f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
Haoto-ハオト(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!続編も頑張ってください!!応援します!! (2021年6月6日 2時) (レス) id: 17268be681 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とこ | 作成日時:2020年6月7日 20時

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