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窓から差し込む陽光に照らされて、ニ、三回瞬きする。
目に入るのは、最早見慣れてしまった無機質な白い天井。
一説によると、音より光で目を覚ます方が体には良いのだとか。
「まあ、私にはそんなこと、関係ないんだけどね」
栄養失調。それが私の病名だ。
生まれつき、栄養の消化を行う小腸の機能が弱かった。
十五歳にしては不自然なほど細い体に青白い肌。
運動することもできずに、筋肉のつかない弱った体には、なんの手の施しようもない。
「あ…」
病室に備え付けられたパソコンの画面に新たな通知が入る。
“母さん”と表示されたメールを開く。
“もう起きた？ 今日もいつも通り、お見舞いに行くからね”
こうやってパソコンを開いていると、どうしても音楽を聴きたくなってしまう。
だが、ただの音楽ではない。
“まふまふ”という歌い手の曲だ。
＊
生まれつきの虚弱体質のせいで、一年のほとんどは病院で過ごした。
もちろん、外で遊ぶことなんてもってのほかだ。
故に、私にとっての世界は、ネットしかなかった。
“まふまふ”
その名前を見つけたのは本当に偶然だと思う。
まだその頃は、彼は今のように有名ではなくて、ほんの十数曲しか投稿していなかった。
だが、妙に心惹かれたのだ。
聴き終えた頃には、私は魂が抜かれたようになっていた。
今まで、声が綺麗だと思う人はいた。曲が素晴らしいと思う人だっていた。
けれど、まふまふさんはそれを超えていた。
いや、元々同じ次元で比べることすらできなかった。
彼の曲は、私の心の中に“入ってきた”のだ。
今までどんな音楽を聴いても、それはただ耳の中を素通りするだけで、ＢＧＭにしかならなかった。
しかし、まふまふさんの曲はどんな障害も乗り越え、私の奥底に響く。
感動する、とはまさしくこのことを言うのだろう。
「あれ…？」
気が付けば私は泣き出していたんだ。
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千々(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます！ (2022年12月5日 9時) (
レス) id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！ (2022年11月4日 20時) (レス) @page22 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 藍猫さん» おお！おめでとうございます！！（一年ほったらかしにしてて本当にごめんなさい……） (2022年9月4日 11時) (レス) id: 84f8a35d43 (このIDを非表示/違反報告)
藍猫 - ｽｳｯｯｰｰｰｰｰ…そういえば10月18日って私の次の日じゃないですか…えまって嬉しい( 〃▽〃) (2021年7月17日 2時) (レス) id: 0f30a0c194 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 翡翠琥珀さん» 飢えているから書けたんですw そう言っていただけるなんて嬉しいです……！ 自信につながります１ (2020年6月18日 21時) (レス) id: a6aff5c4e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千々 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/
作成日時：2020年4月30日 15時
