【男主】俺の弟は歌い手のようで【歌.い手】

弟の部屋 ページ6

ガチャ



そう音をたてて開いた扉の向こう側の光景に、俺はただただ驚くことしかできなかった。



テレビかと思うぐらい大きい、パソコンの画面と思われる物が数台。


その画面には耐えることなく白い何かが流れていく。

その隣には何に使うか分からない難しそうな機械。


それらを全て管理できる位置にいるのが、今目を見開いている俺の弟である。



すげぇ……じゃなくてっ!!

「まー何やってんの!?えっ!?兄ちゃんびっくりなんだけど!!!」


まーは、パソコンの画面をチラチラと見ながら目を泳がせている。



「い、いやぁ……これは…………。
あっ!カ、カラオケ機!!そう!これカラオケ機なんだよっ!」


カラオケ機？最近の若者は家でもカラオケをするのか!?


「な、なんだ………。いや、でもさっきまー以外の声が聞こえてきたんだけど？」


「え？あっああそ、それね!それお手本!!歌のお手本だよ!」


「そうなのか？歌には聞こえなかったんだが……なんか話し声っぽかったぞ……？」



「そ、それは語りっぽい歌だったんだよ!あ、あの、尾崎みたいな？」



なんか隠してるっぽいな〜……
まあ、相手が隠したがってることを根掘り葉掘り聞くもんじゃないか。
俺は大人の男だからな。余裕があるんだ!
っていうか尾崎かよ笑



「尾崎かﾊﾊﾊｯ。お前が尾崎を歌うのかｸｸｯ
ってあっ!! 忘れてた!俺はゲーム機を借りにきたんだった!!なんでもいいから貸してくれ〜っ」



そう言って俺は最初の目的であるゲームの事を話した。



するとまーは、またﾁﾗｯとパソコンの画面を見て少し困り顔で俺に









「兄ちゃん、一緒にカラオケしない？」


と、聞いてきた。

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