僕はまふまふじゃない (ページ2)

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二話ページ2

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俺が今向かっているのは、曲作りに悩んだ時に行く、もう一つの家。

誰も知らない、俺だけの家。

元の家からはそれなりに離れている静かな場所で、凄く落ち着くんだけど…

「…こんな所に、ライブハウスなんてあったっけ？」

最近来てなかったからか、向かう途中の道に見慣れないライブハウスが出来ていた。

…ちょっとだけ、聞いてみようかな。

「次、“Escapism”だって！」

「あのデビュー決まったバンド？」

「そーそー！今日ラストライブらしいよ」

Escapism…現実逃避？
凄いバンド名…まふまふ、って名前だったやつに言われたくないだろうけど。

「どーもー。Escapismです。ラストライブ、楽しんでいって下さい！」

メンバーは五人。ツインボーカルで二人共ギターを弾いている。

「…上手い」

プロじゃないのに、こんなに上手いんだ…デビューが決まっているだけある。

でも…

「一人だけ、辛そう…？」

ボーカルの片方の子が、音域が声域に合っていないのかな？若干辛そうに歌っている。

声は綺麗なのに、もったいないなぁ…

「…ありがとうございましたー！デビュー後も、よろしくお願いしまーす」

ペコリ、とお辞儀をして下がっていく時、彼女が俺の事を見たような気がした。

…勘違い、だよね。

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