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結局あのあと、私はすぐに首領にあったことを伝えなくてはと思い、引き返した。
首領には
私がジイドと接触した事
ジイドは織田作之助を狙っている事
私が何故か彼に気に入られた事
この三点を伝えた。
最後の一点を伝えたときは顔を歪めていたが、それ以外は予想内だったようで、ニッコリ微笑んでいた。
**
自室に戻る時に、一人の少年にあった。
といっても恐らく同い年ぐらいだろう。
噂には聞いていたけど、ホントに凄い絶望の眼をしている………
芥川龍之介だ
「貴様か… 僕と同級だが太宰さんに認められているという小娘は…」
「それなら貴方は小僧ね、私と同級なのに自分の方が上だと思っている。」
「僕の方が貴様より強い。故に貴様は小娘だ。」
「あら、それは違うわ、私は貴方より格段に強いのよ?いっそわからせて差し上げましょうか?」
「僕の方が強い。それは変わらぬ。良いだろう。」
「それなら訓練場へ行きましょう、首領に怒られてしまうわ。」
***
「ハンデありとハンデなし。どちらがお好みかしら?」
「ハンデなしに決まっているだろう!!」
言葉と同時に龍之介は私へ羅生門を向かわせてきた。
だけれど私は動じない。
一歩も動かない。
腕だけはゲートをつないで彼の後ろ
私の基本的な武器は鎌。
龍之介がこちらへと走ってくる。
私との距離が
30m
20m
10m
5m
3m
1m
鎌を龍之介の首にかけた。
龍之介の首から一筋の血液が流れる
私は手を伸ばし、龍之介の胸ぐらに手のひらを置いて、一定の距離を取っていた。
「わかる?これで貴方の負けよ。」
「……負けではない、こんなもの…」
「今回はその程度の血で済んだけど、実戦だったら貴方は確実に死んでいたわ。」
「ならば…どうしたら太宰さんは認めてくださるというのだ…」
「貴方は才能は桁外れにある。それに酔いしれて自滅の道を辿らないことと、才能に見合った実力をつければいいんじゃないかしら?」
私は龍之介の首につけてしまった傷に絆創膏をつけようとした。
「そんなものは要らぬ。舐めていればこの程度の傷…すぐに治るだろう。」
そう言ったが私は問答無用で絆創膏を貼った。
「多分貴方は今すぐにでも高層の最前線に立って戦ってもらわなきゃいけない人材だから。
すぐに直していただかなきゃ困ります。」
「貴様は天使なのか?」
「え?」
「余りにも…美し過ぎる。」
「そう…お世辞を有難う」
「今にも消えて無くなりそうだ」
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作者名:あさ x他1人 | 作成日時:2019年12月31日 23時