頼れる先輩は。【センラ】

先輩。-4- ページ5

定時をまわり、少しずつ職場の人が減ってきた。



折原さんの仕事を手伝う前に今日締切のものを終わらせないといけない。



ふぅーとひと息ついてまた仕事に取りかかる。



折原さんのために少しでも、早く終わらせないと。



....



『ひゃっ！』



頬に冷たい感触が走る。



振り向くとそこはさっき買ったのであろうイチゴオレを持っている折原さんの姿があった。



『折原さん...急にびっくりします』



「あははー、ごめんごめん(笑)」



『どうしたんですか？』



「いやぁ、A、パソコンとずっとにらめっこしとっさからさぁ」



眉間にシワよってるで。と言いながらデコピンをくらった。



『痛いです...折原さん...』



「ほんまぁ、Aはええ子やな。」



『そんなことないですよ。でも、ありがとうございます。』



「そんな、ええ子なAちゃんにはこれをあげましょー！」



そういって、折原さんはさっき私の頬にあてたいちごオレを渡してくれた。



『ありがとうございます。すみません、奢ってもらっちゃって...』



「ええのええの。先輩やから、こんくらいさせて？」



ありがとうございます。と言い、いちごオレを飲む。



『甘っ...』



「あっ、もしかしてこれじゃなかった？前、コーヒー飲めないって言ってたから...」



『いえ、わざわざありがとうございます。いちごオレ好きなので。』



折原さん、私がコーヒー飲めないの覚えててくれたんだ。



それだけでなんだか嬉しくなってしまう。



定時にあがるのもいいけど、残って一緒に仕事をするのも悪くないかなと思った。

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