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うらさか君が移動してきて数ヶ月が過ぎて二人とも職場に慣れてきていた頃、二人が移動してきた直後に比べて変化があった。
「泉さん、明日のやつなんですけど…」
まず一つ目、浦田君が懐いてくれた。
泉さんって呼んでくれたり、普通に笑ってくれたり。今になってわかった、この子は『ツンデレ』。最初は嫌われているのかとも思ったけど、むしろ好かれている方だと発覚した。その証拠に、部長と話している時の浦田君は、常に眉間にシワが寄っている。気の強そうな女性が苦手らしい。
「…あの、聞いてますか?泉さん?」
「ん?聞いとるよ。明日の集合時間やんな?」
「…」
「ごめんて。睨まんといてや」
この心底嫌そうな顔もツンデレのうちだろう。多分。
そして二つ目、会社帰りの飲み会(?)のメンバーにうらさか君が追加された。
でも、結局飲むのは俺とAだけで、場所も変わらない。2人で飲む機会が極端に減って寂しい気もするけど、Aが楽しそうだし仕方ない。
__本題は三つ目だ。
「あ…またですね。」
「あぁ、ほんまや。。」
あからさまに機嫌の悪くなった浦田君の視線の先には、楽しそうに話す坂田君とA。おーい、仕事中やぞーなんて呟くが、そんなことが言いたいわけじゃない。
なんか!仲良すぎやないですか!!
「嫉妬ですか、見苦しいですよ。」
「特大ブーメランやなぁ。…嫉妬っていう言い方はよくないわ、ヤキモチやったら可愛いやろ?」
「…どっちでもいいし、別にヤキモチなんてしてないです。」
そういうと浦田君はさっさとパソコンに目を移してしまったが、どうしても気になってそっちを見続ける。
__な〜んか、腹がたつ。
そう思ってから、ため息をつく。俺は鈍感な方ではない。人並みに恋愛もしてきたし、この気持ちが何かなんてとっくに自覚している。それを表に出さないようにするのなんて大得意なはず…なんやけど。
「きっつ〜…」
「…それ、今日中ですよ。」
「は、嘘やん。」
「本当です。」
「…泣きそうや。」
「半分、手伝うんで。だから、戻ってください。」
「え?」
「いつもうざい位元気なのに、今日はうざいです。落ち着かないんでやめてください。」
あぁ浦田君なりに気を使ってるのか、ツンデレなりに慰めてくれてるのか。不器用すぎる姿に思わず笑ってしまう。
「…ありがとう。」
「何ニヤニヤしてるんですか。きもいです。」
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ひな(プロフ) - 四ツ谷さん» ありがとうございます!!四ツ谷さんにお褒めいただけるとは思わなかったのでとっても嬉しいです……! (2017年10月9日 21時) (レス) id: e3e9fe3651 (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷(プロフ) - え、あ、あ、好きです。え、本当好きです。あのもう好きです( 語彙力 )もうセンラ様の切ない心の表現とかきちんと出来ていて凄いな〜〜と;;これはこれでハッピーエンドなのかな、と思いました。本当に最高でした、続編も見させていただきますね…! (2017年10月9日 0時) (レス) id: b2e4870ae8 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - コメントありがとうございます!終わり方が気になっていたのですがそう言っていただけて安心しました。 惑星ループの方もゆっくりですが更新していきますのでよろしくお願いします! (2017年8月14日 17時) (レス) id: e3e9fe3651 (このIDを非表示/違反報告)
優音(プロフ) - コメント失礼します!すごく面白かったです。とても切なかったけれど、終わりにはとても胸がほっこりとしました!すごく素敵なお話で途中泣くかと思いましたw 惑星ループの方も覗いてきます!! (2017年8月13日 21時) (レス) id: eeac539ce2 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 皐月美柑さん» コメントありがとうございます!そこまで言って頂けるなんて…とても嬉しいです!!読んでくださりありがとうございました! (2017年8月10日 17時) (レス) id: e3e9fe3651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天晴 | 作成日時:2017年7月26日 0時