【センラ】コイビトモダチ

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最近の泉さんはおかしい。
Aさんのことを目で追っては、溜息。それからすごく哀しそうな顔をする。別に心配している訳ではないが、このままでは調子が狂う。


｢泉さん｣

｢ん？どないかした？｣

｢今日、飲みに行きましょう。｣

｢え？あぁ、うん。ええけど…。｣


そこでバシッと言ってやる。俺だってAさんのことは好きだけど、いつまでも引きずっていても意味が無いし。



｢もぉね、Aと坂田君が結婚するんちゃうかと思って！｣

｢まぁ、別れそうに無いですしするんじゃないですか。｣

｢うらたんはそれでいいん！？好きやったんやろ！？悔しくないん！！｣

｢…好きですよ、今も。｣

｢じゃあ！｣

｢でも、Aさんが幸せだったら、俺はいいです。｣

｢……そっか。うらたんは大人やね。｣


一瞬顔を歪めてから苦笑いを浮かべる泉さんに腹が立った。


｢なんですか。言いたい事があるなら言ってください。｣

｢んー、俺もね？前まではそうだったんよ。でもそんなこと思てたら、一番仲のいい友達止まりなんよ。｣

｢っ…｣


一番仲のいい友達、それに心当たりがあった。
思えば初恋も、学生時代にずっと片想いを続けていた時も、俺はそう言われた気がする。


｢うらたんさ、顔もいいし頭もいいし運動もできそうやし、モテるやろ？｣

｢…まぁ、そこまでじゃないですけど。｣

｢でも、本当に好きになった人には、別の好きな人がおって。結局応援してしまって。｣

｢え、なんで知ってるんですか…？｣

｢俺と一緒なんよ。全く一緒。ちょっと生きとる時間が長いから言わせて貰うと、友達止まりって一番辛いんよ。そんなんやったら、話せんでも見とる方がマシってくらいに。｣

｢…分かります。｣

｢やろ？w うらたんにはそんな思いして欲しくないから、どうせなら言ったったらええねん！って言いたかってん。若いんやしw｣

｢そんなに変わんないじゃないですかw｣

｢まあねw｣

｢って、じゃあ泉さんも言ったらどうですか？Aさんに。最近、恋する乙女化してますよ。気色悪いです｣

｢いや、それは無理。てか酷い。｣

｢人には言えって言っといてなんなんですかw｣

｢まぁそんなもんやろ〜。許せ。｣

｢ですね〜…すいません、LINE来ちゃった。｣

｢ん、俺もやわ。｣




【 結婚します( *´꒳`*)】





｢……飲むかぁ〜｣

｢飲みましょう｣

｢明日も仕事やん｣

｢飲みましょう！｣

｢……飲むかぁ〜！｣

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