きみのため。【あほの坂田。】

19.過去 ページ26

私が優と付き合い出したのは高校2年生の時。
3年では一緒に受験勉強したりして、
お互い現役で大学に進学することができた。

『優ー！』
坂「なに？」
『大好き！！』
坂「…！俺も！」

そして、大学2年生、20歳になりもう大人。
恋人としてそれなりのことはするようになって、、
でもそれで調子に乗ったのがいけなかった。

3年になってすぐ、体調が優れなくて病院に行った。
そして、先生から告げられたのは

＜妊娠3ヵ月＞

の言葉だった。
私の頭にはどうしようという言葉しか浮かばなくて。
普通だったら喜ぶべき所も喜べなかった。

なぜなら、まだ私達は大学生。
そして私が妊娠したとき優には看護師になるという夢があった。

私の不注意のせいで彼の夢を奪いたくなかった。
そしてお腹の子を望まれなかった子にしたくなかった。
だから私は決めた。優から離れようと。
優のために。お腹の子のために。


『だから私は別れたの
本当は優のことが嫌いになって別れたとかじゃない
私は優のために、』
96「ねえ、A？本当にさかたんのため？
それ、自分を守るためのエゴでしょ
赤ちゃんができたって言って振られるのが怖かったんでしょ、違う？？」

私は答えられなかった。
だってその通りだったから。

ま「ひなたちゃんがさ、もし男で彼女から妊娠したって言われたらどう思う？きっと嬉しいと思うよ、僕だったらそう」
う「俺もだな」
志「俺も」
セ「センラもですわ」

ま「ほら、さかたんだってひなたちゃんのこと愛してたなら嫌だなんて思わないよ
ね、さかたん！」

今までずっと黙っていた優は大きなため息をついた。

坂「ほんまにふざけんなや
当時、というか今もAの目には俺がそんなことで振るようなやつに見えるん？
俺、今の話聞いてて嬉しかった
ちゃんと俺のこと考えてくれてたんやなって思えたんよ
だからさ、俺にもAの本当の気持ち教えてや」

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