きみのため。【あほの坂田。】

15.真優の気持ち ページ19

坂田side

今日の打ち合わせは衣装の試し着をやった。

4、5人ずつ呼ばれて衣装を着に行く。
さっきAとくろ、まーしぃとそらるさんが行った。
俺の番は終わったから、ここに残っているのは俺とうらさん、センラとまふ。
そして、真優。

俺は真優に話しかけてみた。

『なぁ、真優。
真優はママのこと好き？』
真「もちろん！！僕ママのこと大好き！！！」

真優は満面の笑顔で答えた。

『どんなとこが好きなん？』
真「んーとね、ご飯いつも作ってくれるとことかぁ、一緒に寝てくれるとことか、全部大好き！！」

そかそか、と真優の頭を撫でる。

真「ママのおかげで僕幸せなんだ！
でもね…？僕寂しいんだ…。」
ふと、悲しそうな顔をして言った。

『なんでなん…？』
そう聞くと真優は
それはね、、と真優は言った。

真「それはね、僕パパがいないの」
俺は息が詰まった。
うらさんたちも俺たちの方をじっと見つめて聞いていた。

『そうなん…？それは寂しいなぁ…』
真「だからね、気になってママになんでパパいないのって聞いたの
そしたらママ悲しそうにパパはお仕事が忙しくて帰ってこれないんだって言ってたの」

Aは父親がいないことを伝えていなかった。

真「幼稚園のゆりえちゃんとかともきくんとかはパパいるのに僕だけいないから寂しいの」

これが真優の本当の気持ち。

『ママには寂しいって言わないん？』

真「だって言ったらママ悲しそうにするの
僕ママが悲しそうなの見たくない、、
だからママのために我慢するの」

真優は優しい。
Aに似たんだな、俺はそう思った。
でも、と思ったその時うらさんが笑って言った。

う「真優、我慢しなくていいんだよ？
ママに伝えてごらん、その方がママ喜ぶと思うよ」

続いてまふが言った。
ま「ママは、真優くんのこと大切だから全部教えて欲しいって思ってるよ絶対に…！」
セ「そうやで、やから素直に伝えてごらんよ真優くん」

そう、真優が気を使う必要などないのだ。
だって、子供なのだから。

真「そうなの…？わかった！
僕ママに言ってみる！！」
そう言った真優をよしよしとみんなで撫でくりまわした。()

番外編→←作者からちょっとしたお知らせ(？)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す