雫が十粒 ページ12
凛side
家に帰り、窓の外を見ると昨日より少し欠けた月が淡く光っている。
私は壁に凭れかかり一つ大きくため息をついた。
「乱歩さんには敵わないなあ。」
私のことを思って叱ってくれた彼を思い出し、クスリと笑う。
痛みなんて慣れてしまっている。
嫌われる事なんてなんとも思わなくなってしまっている。
そんなこと、もう彼は言わずとも解っている筈なのに、、、。
それでも叱ってくれた彼。
本当に、
「優し過ぎるよ。」
温かくて、怖い
この優しさに甘えて仕舞いそうで怖い
もし彼を傷付けてしまった時が怖い
流れ星が見え、まるで空が泣いているようだと思った。
携帯から着メロが鳴った。
私のメアドを知っているのは、社長と中也ぐらいだ。
こんな時間に社長がメールを寄越して来る筈がない。
ということは
「あ、やっぱり、中也だ。」
[手前、空いてる日とかあるか?]
なんだこの簡潔過ぎるメールは。
突然過ぎて二度見したわ。
[今週の日曜日空いてる。何?パフェ奢ってくれるの?有り難う。]
「送信っと。」
彼も優しすぎる。本当に、一瞬本当にポートマフィアかと疑ってしまったぐらい。
すると直ぐに返信が来て、思わず笑ってしまった。
[まだ何も言ってねぇよ!今週の日曜日、ちょっと付き合え。パフェ奢ってやる。]
何だかんだ言いながら結局奢ってくれるんだ。
了解、という文字を打って送った。
また空を見上げると、不思議と先程迄の感じていたものとは違い、少し、夜空が綺麗に思えた。
「神様。貴女は、淋しかったのか?」
私をこの世界に連れてきた彼女に向けて、ポツリと呟いた。
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狼狐(プロフ) - 必殺!一気読み!!▼狼狐は一気読みを繰り出した▼ ←マジです。1時間で読み終えました(遅)感動し過ぎで泣きました。最初悪女に成り切れない悪女ってどゆこと?って思ってましたがこーゆーこととは・・・・!納得です★あぁ、続きが見てぇ・・・ (2022年2月12日 17時) (レス) id: 563f93d61f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 感動のあまり、涙が……泣けました。コレってアニメ化しないんですか?(冗談です)続編が見たいです。あ、でも、コレで終わりってなるのも味的に良いかも……うあ、でも…………見たい!見たいです!!! (2021年7月3日 15時) (レス) id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 味付けのりぃさん» そう言って下さり有り難うございます! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
味付けのりぃ - あああぁぁぁ…まじで涙出たぁぁぁぁ…いい話すぎる(?)この作品を作ってくれてありがとうございます…!こんなん泣くしかねーわ(( (2019年8月9日 1時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 557*ココナさん» この作品を読んで下さり有り難うございました!! (2019年7月29日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
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