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仕事_47 ページ30

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 辺り一面が雪に覆われていて、



 はらりと、六花が舞い落ちる。



 背を向け立つその人は、



_____…………い



 しきりに何かを呟く。



 だがその声が届くことはない。



 うつむいて肩を震わせたその人の足元に、



 ぱたりと涙が落ちて、雪に吸い込まれた___





_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _





『………………』





Aは寝転んだまま、自分がどんな夢を見ていたのか必死に思い出そうとした。



が、そもそも夢など見ていただろうか、という疑問まで出てくる始末。



ふと、右手に違和感を覚えて視線をやった。





『髪飾り……………?





ぁああっ!!!!』





外で彼らの帰りを待っていたはずなのに、今自分は茵の上にいる。なぜだ。



夢の残滓も眠気も何もかもが吹っ飛び、Aは単衣のまま部屋を飛び出した。





『堀川!獅子王!薬研!一期!三日月!いるか!』





スパン!と勢いよく大広間の襖を開けて、Aは良く通る高い声で彼らの名を呼んだ。



まだそれほど人が多くはない広間で、該当する一人が応じる。





薬研「俺はいるぞ」





いち兄は秋田たち起こしに行った、と付け加えた薬研に、Aはトトトと近づき、両手で彼の頭を掴んで引き寄せた。





薬「ん、んん?!?!」



『………無事……?』



薬「も、もちろんだ。皆無傷で帰ったぞ」





Aの静かな問いかけに、薬研はニカッと笑って答える。



ようやく安心したのか、Aは薬研からそっと額を離した。



薬研は僅かに名残惜しそうな表情をする。





加州「薬研ばっかりズルい!A、俺ともそれしてよ!」



『? ああ』





今度は加州と、額をこつんと合わせた。





乱「次はボクと!」



『わかった』





Aは頭上に“?”を浮かべながら額を合わせていく。





加「薬研」



薬「なんだ」(←ちょっと悔しい)



加「Aが可愛すぎて刀種変わりそう」←



薬「おい、どーゆーことだそれ

……まぁわからんでもないが」←







ほつぎ「……………ふぅん」





その場面を広間の外から見ていたほつぎは、布面の下でうっそりと笑った。



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作者名:葛の葉 | 作成日時:2018年5月17日 0時

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