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仕事_45 ページ28

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A side





彼らが出陣してから一刻が過ぎた。



簀子に座り、パラパラと辞書を捲り続ける。





『(“反省…自分が今後も同じ過ちを繰り返すことを再確認する行為”)』←





ああ、どおりでいくら長谷部が怒鳴っても鶴丸は落とし穴を堀り続けるわけだ。←



私は意外とあの落とし穴、気に入っているのだがな。



短刀たちとかくれんぼをするのに便利なのだ。あれが。





『(ああでも、見習いがいる間は控えたほうがいいのか)』





きちんと審神者の仕事を教えなければならないし…今まで以上に、人間らしく振る舞わなければ……ならないし…





『(………眠い…)』





今日は見習いが来たこともあって、少し、疲れたのかな…



だが寝るわけには。



ふと、右手に視線を落とす。



辞書と袿を取りにいったとき、“これ”も一緒に持ってきた。



気休めだが、ないよりはいいと思って。





『(早く………帰っておいで………)』





もう一度それを握りしめ、高欄に寄りかかったところで、瞼が急に重たくなった。



起きていなければ……ちゃんと出迎えて、おかえりって、言わねば……




ああ、こういうとき、人間の身体は少しだけ不便だ………_____





_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _



NO side





獅子王「戻ったぞー!」



堀川「ちょっと、獅子王さん!声が大きいです!」



獅「おっと」



一期「今は…丑の刻でしょうか」



三日月「ああ。まだ寅ではないだろうなあ」



薬研「いずれにせよ、夜が明ける前に帰ってこられて良かった」





獅子王の第一声以外、小声でやり取りをしながら本丸に足を踏み入れる。





獅「しかも全員無傷…だし……」





前を歩いていた獅子王が急に立ち止まった。



後ろに続く薬研が軽く衝突する。





薬「だっ……なんだ、獅子王」



獅「お……おい、あれって…」



堀川「え、Aさん?!」



一,薬,三「っ!!」





五人ほぼ同時に駆け出す。



そこには、浅葱色の袿を羽織って高欄に寄りかかり、すやすやと眠るAがいた。



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作者名:葛の葉 | 作成日時:2018年5月17日 0時

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