仕事_39 ページ22
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燭台切「さぁ!めしあがれ!」
目の前に広がる光景に、A達は二の句が次げない。
着替えを急かされ、燭台切に連れてこられたのは大広間。
そこに綺麗に陳列されていたのは、現世で食べたものとは比べ物にならないほど見事なパフェ。
これ以上ないほど目を輝かせたAが、ぱっと燭台切を振り返る。
『こ、これ、いいのか』
燭「もちろん!あ、皆のもあるよ!」
厚「マジかよ!!」
骨喰「大人しくパティシエを名乗れ」←
ちょっと頑張っただけだよ、と照れたように笑う燭台切。
その背後からピョンと姿をみせたのは薬研だ。
薬研「おいおい、俺も手伝ったぞ」
乱「…あれ手伝ったっていうの?」
加州「ジェラートに薬混ぜ込もうとしたよね」←
薬「ビタミン剤と言ってくれ。ちなみにB群だ」←
宗三「薬研、厨出禁です」←
薬研は解せぬようにビタミンB群の効能をつらつらと述べる。
それが聞こえているのかいないのか、Aはパフェをぱくぱくと食べていく。
この姿だけ見れば、年相応の普通の女の子だ。
『燭台切』
燭「うん?」
口のものをごっくんと飲んだAは、生クリームを口につけたまま無邪気に笑う。
『すごく、すごく、美味しい……!』
ブワッと桜が舞い、燭台切は顔を覆って背けた。
燭「(あああああああかわいい可愛すぎるなんなのこの小動物 まさかこんなに喜んでくれるなんて。ほんとパティシエなろうか迷うでもかっこよさ的にはシェフとかのほうがいい気がするけどとりま料理極めよう。あぁいよいよ僕も末期かな桜が止まらない)」←←
大和守「追加持ってき……うわ、ちょっと桜抑えてよ」
歌仙「まだまだあるから皆も食べてね!あと燭台切は外出ようか」←
乱「じゃあボクたちも食べよっ!」
厚「いち兄呼んでくる!」
今剣「あ!いわとおしもたべましょう!」
岩融「おお!これまた奇怪な食べ物だな!」
いつの間にやらほとんどの者が集合し、大広間は騒がしくも楽しい宴状態となった。
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全ての音が掻き消えて、しんと静まり返った闇夜。
星はない。
目の前には政府が管理下におく施設。
建物をすっと見上げたその人物は、ぽつりと呟く。
「もうすぐ、だなぁ」
街灯の逆光に隠された顔が笑う。
______冷酷に。
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作者名:葛の葉 | 作成日時:2018年5月17日 0時