第36話 ページ36
う「Aには絶対にこれが似合う!露出少ないけどシースルーで涼しいし何よりミントグリーン!」
『う、うん………』
う「決定!レジ行ってくる!」
店に入った瞬間服を見に行ったかと思えばミントグリーンのワンピースを持って戻ってきた渉くん。そして有無を言わさず会計へ。
…………あ、お金!
セ「…自分の色選んどるの、アレわざとやろ」
坂「こっわ……」
う「A、タグ切ってもらったから着替えて来い。」
『あ、その前にお金……』
う「お金は良いから。ファイル持ってきてくれたお礼だと思って受け取って?」
『…ありがとう、渉くん。』
う「ん、」
素直に渉くんからショップバッグを受け取って店員さんが待つ試着室へと向かった。
『…お待たせ…着れたよ…』
う「カーテン開けるぞ?」
『うん…』
少し大きめの渉くんが手がカーテンに掛かって、そのままゆっくりと開かれる。
う「っ……めっちゃ可愛い。すげー似合ってる。」
『っ!?や、ぇ…ワンピースが可愛いから…雰囲気よく見えるだけだよ……』
慌てて首を横に振る。
セ「似合うとるよ?可愛らしいAちゃんにピッタリ。」
坂「ウンウン、すっごく可愛ええ!」
ひぇぇ………
あんまり褒められ慣れていない私はすぐに顔が真っ赤に染まってしまった。
セ「ほな、早めに戻りましょうか。見つかると面倒やし。」
志「………あ、ちょっと待って。ス○バ寄ってもええ?」
緑の看板が目印のカフェを見つけて首を傾げる志麻さん。私達は全員頷いて一緒に中へと入った。
志「……なぁなぁ、Aちゃん抹茶好き?」
『え?あ、好きですよ。甘いものは基本的に好きです。』
志「オッケー。」
……?何だったんだろう…。
志「…ほい。」
『え?』
私たちの元へ戻ってきた志麻さんの手には抹茶クリームフラ○チーノが2つ。そのうちの一つを私に渡してくれた。
う「おやおやぁ???」
坂「まーしぃ〜???」
『…えっと……』
セ「Aちゃん、」
センラさんが少し屈んで私と目を合わせてから優しく笑う。
セ「志麻くんなりのお詫び。受け取ってあげて?」
センラさんの言葉に思わず志麻さんを見る。
渉くんと坂田さんにツンツンされている志麻さんが私の視線に気付き、こちらを向いてへらりと笑った。
志「それ俺の一番好きなヤツ。オススメやで。」
『…志麻さん、ありがとうございます。頂きます。』
………やっぱり渉くんの仲間は良い人ばかりだ。
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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作成日時:2019年8月6日 12時