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第34話 ページ34

う「もう大丈夫なのか?」

『うん。』

坂「ちょっとだけ触っても大丈夫?熱と脈確認したいんやけど。」

ソファから起き上がった私に近づいてきた坂田さんが目の前で膝をついて柔らかく笑った。

『はい、お願いします。』

坂「お願いされました」

『ふふ、』

坂田さんが優しく私の手首に触れて脈を取りながらもう一方の手で額に触れて熱を測る。

坂「……大丈夫そうやね、でも無理したらあかんよ。」

『はい』

う「よし。まーしぃ、センラ、こっち来て。」

渉くんが手招きすると、心配そうな志麻さんとセンラさんがやってきた。

志「Aちゃん、ホンマに大丈夫なん…?」

セ「無理したらあかんよ?」

『本当に大丈夫です、ご心配お掛けしました。』

ペコ、と頭を下げると、いやいやっ、と二人は首を横に振った。

志「元はと言えば俺のせいやし……ホンマにごめんな?」

『本当に大丈夫ですから。もう謝らないでください。』

う「そーだぞ、お前がいつまでもそうしてるとAが気を使うだろ。」

志「そ、そうやな……分かった。」





う「…それにしても…………ボロボロになっちまったな。」

『あはは…』

結局涙でボロボロになった顔と髪型、服も汗で大変なことになっている。ちょっと寒い。

坂「服も着替えたいよなぁ?」

『いや、あの、私帰るので、大丈夫です、』

う「はぁ?一人で帰らせられるわけねぇだろ。俺と一緒に帰るんだよ。」

渉くんの言葉に驚愕する。
え、そんなこといつ決まったの…!?

う「つっても打ち合わせは今日しねぇと…明日から練習も始まるしなぁ…。」

『ねぇ…やっぱり私一人で………』

坂「ダメや!!!」

セ「Aちゃん、そら危ないわ。センラも許可できません。」

渉くんに続き坂田さんとセンラさんまで……。



志「……Aちゃんの服買いに行かん?」



そこで今まで黙っていた志麻さんが口を開いた。

志「このままやと良くないし…近くに服売ってる店はたくさんあるやろ…?」

う「…………………良いな、それ。」

『え』

坂「ええやん!ついでにちょっとメイクせん!?道具あるやろ?」

セ「センラので良ければ貸しますよ〜」

…あれ、話がどんどん進んでいく…………。

う「よし!決まり!Aの服を買いに行きつつ打ち合わせするぞー!」

「「「おー!!!」」」



『…………えぇ……』





こうして本人を置き去りに四人は意気揚々とメイク道具を机に並べ始めるのだった。

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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月6日 12時

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