第２４話 ページ24
う「行ってらっしゃい。」
『行ってきます。渉くんも行ってらっしゃい。』
う「おう、行ってきます。」
今日も今日とて浦島坂田船夏ツアーの打ち合わせ。
Aもあれから問題なく高校へと通ってくれている。今のところ特に困っている様子もないので一安心だ。
しかし、問題は浦島坂田船リハーサル終わりに起きた。
坂「あひゃひゃ！！！センラアホやろ！」
セ「うっさい！！！」
志「それよりセンラさん、泊まる所どないするん？俺これからニコバー通信やから泊まらせられへんで？」
坂「僕も今日は録音あるし無理や。」
セ「今からやとホテルも取れへんよなぁ…。」
不運な事にもセンラが予約していたはずのホテルでトラブルが起き、現在宿無しの状態のセンラ。
セ「マジでどないしよ……」
目の前でオロオロしながらスマホを操作するセンラを何だかんだ言いつつも心配げな目で見る坂田と志麻。
…………はぁ。
う「…Aに聞いてやる。ちょっと待ってろ。」
セ「っえ、でも…」
う「少しでもAが嫌そうだったらダメだからな。その時は宿探ししろよ。」
それは勿論、あんな過去があって男を怖がってるのは知っているから。
センラが頷いたのを確認してからスマホを取り出し、LINEからAの名前をタップしてすぐに電話を掛ける。
『……渉くん？どうしたの？』
ワンコールで出てくれたAに感謝しつつ、早速本題へ。
う「あの……センラが宿無しで困ってるんだけど、ウチ泊まるのは流石にキツいか…？」
『っ、……えっと…』
…この反応は厳しいか。
う「…いや、普通に考えてキツいよな。悪い……」
『っだ、大丈夫だよ！！！』
少し大きめの声で遮られた言葉。
俺は目を丸くして、思わずスマホを耳にぴったりとくっつけた。
う「え……見知らぬ男が泊まるんだぞ…？少なくとも明日の朝まではいるんだぞ…？」
『ここ渉くんの家だから好きにして良いんだよ？私の事は気にしないで！』
う「や、でも……」
『それに………渉くんの仲間でしょ？』
う「っ！！」
"仲間"
その言葉に俺はハッとした。
『じゃあ大丈夫。…センラさんの分まで夕飯作って待ってるね。』
Aは俺を、俺の仲間を、信じてくれているのか。
う「…分かった。ありがとな、夕飯頼んだ。」
セ「ど、どうやった…？」
電話を切った後、恐る恐る尋ねてきたセンラに笑って親指を立てて答えると、何故か後ろの志麻と坂田も驚いていた。
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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (
レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛 | 作成日時：2019年8月6日 12時
