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第20話 ページ20

『………それじゃ、行ってきます。』

う「うん、行ってらっしゃい。」



……本日、Aの初登校日です。



昨晩からドキドキしている俺に対して、黙々と準備を整えるA。
制服を着て、スクールバッグに教科書やノートを入れて、定期券、財布、必要なものを一つ一つしっかり確認している。

既に一度書類を出しに行った際に校内の雰囲気や簡単な年間スケジュールなどを聞いてきているらしく、本人としてはケロッとしたものなのだが、問題は俺だ。



心 配 過 ぎ て 落 ち 着 か な い 。



イジメによって心に深い傷を負って東京に転校を決めたA。本当ならば人と話すのも、外に出るのだって怖いはずだ。
しかし、それでも東京の高校でやり直すとAが決めたのだ。

………俺がそれを応援してやらないでどうする。



う「………A。」

『ん?』

ローファーを履き終えて玄関の扉に手を掛けたAが振り返った。

う「何かあれば電話でもLINEでもして良いからな。」

『……うん。』

……………違う。
これから勇気を出して一歩踏み出そうとするAに掛ける言葉。

う「………頑張ってこい、ダメならその時は俺とまた別の作戦を考えよう。」

そう言ってスッと拳を前に出す。

『っ!』

それに合わせてAも拳を前に出した。



………コツッ



う「健闘を祈る。」

『…うん!行ってきます!』





Aはニコリと笑って玄関を開けて、一歩踏み出した。

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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月6日 12時

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