検索窓
今日:34 hit、昨日:35 hit、合計:435,824 hit

第16話 ページ16

う「A…」

『ごめんなさい………っ…』

目の前で泣きながら、いやいや、と首を横に振って謝るAに沸々と苛立ちが湧いてくる。



何で怯えるの?何が怖いの?俺が悪いの?



う「いや、ごめんじゃなくてさ。」

『っ!…ごめ、なさ…』

う「てか、何謝ってんの?茶碗割ったこと?それともパニクったこと?俺の言うこと聞かずに動いて怪我したこと?」

ま「ちょっとうらたさん……」

坂「うらさん、待って。」

茶碗の破片を片付けてくれてたまふの言葉より先に、俺の家の救急箱を持った坂田がニコニコ笑ってAの目の前にしゃがみ込んだ。」

坂「Aちゃんって言うの?僕はね、坂田っていうんやけど、そのままやと痛いやろ?服とかも汚れちゃうし手当てしてもええかな?」

『っ、ぁ……』

坂「…うらさんの方がええ?」

『………おねがい、します…』

Aが俺以外の人に自ら手を差し出した。

う「っ…何で……!」

ま「うらたさんはこっち。」

訳の分からない苛立ちに拳をギュッと握った時、まふに肩をポンポンと叩かれた。
どうやら片付けは済んだらしい。



今この場で冷静にAと向き合える気がしなかったから、俺は静かにソファから立ち上がった。



『…ぁ…、…渉くん、ありがとう……っ』

う「っ!!」



…….そうだ、俺が落ち着かないでどうする。

誰がAを助けるんだよ。



う「………うん。ちょっと坂田と一緒にいて。コイツ俺の相棒。また後でちゃんと説明するから。」

『うん…っ』

…俺は上手く笑えていただろうか。

第17話→←第15話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (508 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1698人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年8月6日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。