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君ヲ信ジテミタカッタ ページ40

×××


痛みを訴えるQの声。
小さな躰を必死に動かし、己の躰を絡め捉えている葡萄の木から逃れ様と(もが)いている。

スタインベックは近くに置かれていた(パイプ)椅子に腰掛けて、Qの様子を何処か(たの)しげに、笑みを浮かべて観察していた。私は暴れ踠いているQの姿を、見ている事しか出来なかった。
この場合、迂闊に手を出そうもの楢、相手に何をされるか判らない。


「ま 恨むなら“ 緊急プラン ”を考え出した作戦参謀か、あのラヴクラフトの精神を破壊なんていう馬鹿を仕掛けた君自身を恨みなよ」

「......殺す......殺してやる......!」


殺意の篭った()を向け、Qはスタインベックに恨み言を吐く。彼の方は余裕な表情を崩さなく、近くに根を張っていた葡萄の木を、軽く足で踏みつけた。


「い、いぎゃアアあァァアアうァアアアァあァッ!!」


其の瞬間、耳を(つんざ)く様な悲鳴が地下に響き渡る。
思わず耳を塞ぎたくなった。


「......スタインベック、今直ぐQを解放して」

「............」


流石に此れは非道過ぎる。少々遣り過ぎだと思えば、私は彼にQを解放して欲しいと云った。
だが、スタインベックは私の言葉には耳を貸さない。聞こえている癖に、彼はまるで私の姿が見えていないのか、Qの様子を黙って観察しているだけだった。


「___ スタインベック!!」


私は怒りを覚え、震える両の手を握り締めると、彼の名前を大声で呼び、椅子に座っている相手の肩を掴む。

手荒な手段になってしまうが、実力行使に出ようとした。
男の力に、女である私が力技で敵う可能性はずっと低い事は判っていた。それでも、Qを此の儘囚われの身にして置く訳にはいかない。


「......僕は君の事を、信じてみたかったんだ」

「え? ............っ!?」


気づいた時には、もう遅かった。
スタインベックの手に握られた短刀(ナイフ)が、深紅に染まっている。自分の腕に目を向けると、服と皮膚が裂かれ、シャツに私の血が滲んでいた。

スタインベックの方に視線を向けると、彼は空虚な()で私を見詰めている。


「......御免ね、Aちゃん。でも こうでもしないと、僕は君を許す事が出来ないから」


“ 少しの間だけ、苦しんで? ”


彼の科白の後、私の躰に異変が生じた。

虎ト白鯨、葡萄ト人形ー 計画 ー→←裏切者ト葡萄ノ木



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時

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