光ヲ希求シ、闇ニ生キル ページ30
×××
____太宰さん 遅いな...
太宰が事故に巻き込まれた直後、中島は独りだった。
携帯にも連絡が来ない。
政府の
ぼんやりと景色を眺めながら、彼は物思いに耽る。
組合の襲撃が遭った後、泉は行方不明になってしまった。
其の後、“ Q ”と呼ばれる異能者に精神を操られ、彼は自分の異能で仲間を____ 傷付けてしまった。操られていたとは云え、謝るだけでは済まない事をしてしまった事実は変わらない。
自分みたいな存在が、生きていて善いのか、何故此処に居るのかが判らなくなった。
“ 自分を憐れむな ”
“ 自分を憐れめば 人生は終わりなき悪夢だよ___ ”
太宰が中島に云った言葉だ。
“ 鏡花を頼む___ ”
泉を連れ戻そうと、中島に刃を向けた尾崎はと云うと、太宰と二人で何やら取引をしたらしい。中島は追い出され、内容を詳しくは知らないが、如何やら泉に関係する事の様だ。
泉を見つけ、救う事を中島は頼まれた。
今回の戦争により、彼女は大勢の人間の命を奪う。
尾崎は哀しげな表情で、然しハッキリと断言した。若し、其の様な事を犯して仕舞えば、泉は二度と、望んでいる「陽の当たる世界」では生きられない。
「............」
中島は携帯をパチンと閉じ、ポケットに仕舞う。
其の時だ。
「待たせたかな」
やっと来たか。
中島は溜息を吐き、隣にやって来た声の主の方を向けば「遅いですよ」と、文句の一つでも云ってやろうと口を開きかける。
だが其処に立っていた人物は、中島が待っていた相手では無かった。
「金と優秀な部下を持つものにとっての強敵は___ 暇だ。こればかりは、金でも異能でもどうにもならん」
「なっ......!?」
皺一つ無い高価そうなスーツ。整えられた黄金色の髪は、陽の光を浴びて輝いていた。其の人物は中島の姿を瞳に映すと、端整な顔に薄っすらと笑みを浮かべる。
能力者集団《組合》団長
フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド
能力名
組合の団長自らが、姿を見せたのだ。
×××
392人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時