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天藍石ハ空ヲ仰ギ見ル ページ20

×××


陽の光に透かしてみた____


「......何で私にくれたのかしら」


天藍石(ラピスラズリ)が埋め込まれた首飾(ネックレス)を、太陽の光に中てて見る。迚シンプルなデザインの物で、石自体は其れ程大きくないのだが、陽の光に透かして見ると、面白い仕掛けが施されていた。

石を透かすと、中に透明な硝子で創られたミズクラゲが天藍石の中に浮かび上がる。石を水槽に見立てたのだろう、中々洒落た品を贈呈品(プレゼント)されたと思う。


「......ソレ、ずっと着けていたわよね ひょっとして贈呈品?」

「.........!」


声を掛けられたら、私は慌てて首飾を鞄に隠したが、大して意味は無かった。声がした方を振り返ると、赤毛を風に靡かせて、私の方に近づいてくる少女の姿がある。


「もしかして 貴女の恋人(パートナー)の殿方からかしら?」

「......秘密よ」


赤毛の少女・『モンゴメリ』の科白に対し、私は少々素っ気ない態度で返答をする。別にコレを寄越して来た相手は、私にとっては恋人とは云えない......否、正確には云い難い複雑な関係なのだ。私の曖昧な回答に、モンゴメリは詰まらなそうな表情(カオ)を浮かべる。

私と彼女は、ヨコハマの港からそう遠く離れていない場所で海を眺めていた。時折海岸に打ち付けられて出来る波の音に、そっと耳を澄ましてみる。
気持ちの良い潮風が、一陣吹いた。


「秘密ッて 別に教えてくれても善いじゃない」

「秘密は秘密なのよ...... 幾らモンゴメリちゃんでも、話してあげる事は出来ないわ」

「あらそう 残念だわ。 でも、折角だから一つだけ___ あたしの質問に答えてくれても善いンじゃあなくて?」


隣に立ち、共に海を眺め、他愛のない会話をしていたが、彼女は唐突にそう云うと、深緑の瞳をゆっくりと私の方に向ける。

ザザン...... ザザン......

波の音は穏やかで、こんな日に船で海に出たら屹度気持ちが良いだろうと思った。
私は自然と口角を上げ、笑みを作ると「私が答えられる事楢ね」と、彼女の方を全く見ずに云う。次の瞬間、モンゴメリは眉を八の字に下げ、微かに唇を震わせ乍尋ねてきた。


「あの船が爆発するって、貴女 最初から知っていた(・・・・・・・・・)の?」


×××

福音ノ救イヲ求メテ→←風ト緋ト羅生ノ狗ー 黒悪魔 ー



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 有難うございます!コメント、本当に嬉しいです。続編も頑張りますっ (2019年7月17日 23時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 第二シリーズお疲れさまでした(拍手) 続編も心待ちしております、ミサぽんさんのペースでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月17日 23時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます、何回もしてくださり 本当に嬉しいです! 楽しんでもらえるよう 頑張りますっ (2019年6月16日 16時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - 早速の続編!ありがとうございます!!(感涙) (2019年6月16日 16時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年6月16日 15時

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