【浦/島/坂/田/船】私の彼氏さん。【短編集】

とくべつかんけい。【志/麻】 ページ33

私には友達以上恋人未満、と言っていい異性の友達がいる。


月崎 志麻。


高校に入ってから仲良くなったけど、連絡先も交換して、たくさん喋って、毎日のように電話して。



好きにならない訳が、なかった。


そもそも顔立ちが整っているのと、親しみやすい方言のせいで私を含む多くの女子が惹かれたはず…




入学式前の移動で、ハンカチを落としてしまって。
気付かずにそのまま入学式を迎えて、帰ろうとしたとき、





「なあ、これ落としたで？

俺は３組の月崎 志麻。よろしゅうな！」





歯を見せてニカッと笑うその顔に一目惚れした。




頑張って話しかけて、やっと連絡先が交換できて、自分から電話をかけたり志麻から掛かってきたり。


毎日楽しいけど、友達以上恋人未満だと思っていたのは私だけかもしれない。



そう思ったのは今年に入ってから。




２年生になって、念願の同じクラスになれたはいいけれど、




「月崎くん、今日の放課後みんなでカラオケ行かない？」

「今日のお昼ご飯一緒に食べよっ？」




なんとも可愛らしく、自分とは違うタイプの女の子たちに新クラス早々囲まれていた。

１年生の時は違うクラスだったから気付かなかっただけかもしれない。



それでも、どろどろとした黒い感情が私の心を支配するのは容易で、





「(あの子達と話さないで、なんて)」





…




今日は日直。更に、まだ志麻と話せていないから気分は最悪だ。



日直の相手はクラスで人気のイケメン男子らしくて、友達からは羨ましがられた。

無論、私は志麻しか見ていないので全然嬉しくない。



そんな名前すら覚えていないイケメン男子くんと、授業で使う教材を持たされながら廊下を歩いていると、





「( 、っあ)」








前から志麻が歩いてきた。

すごく話したかったんだけど、その時に限ってイケメンくんに話しかけられて。





志麻は私から目を逸らして行ってしまった。


目を逸らされたことがあまりにもショックで、廊下がとても長く感じた。






そんな私の気持ちを知ってか知らずか、イケメン男子くんはたくさん話しかけてくれたけどそれどころじゃない。





「(なんでそんなに、素っ気ないの)」


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閲覧ありがとうございます(´ω`っ )3

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