ガラスの花に麗しいキスを３【歌い手】

第十七章【不知案内】 ページ31

・



不知案内

知識や心得がなく、実情や様子が分からないこと。




.｡*ﾟ+.*.｡ ﾟ+..｡*ﾟ+




次に目覚めたらそこには天宮様の姿はどこにもなかった

ただサイドテーブルの方に小さな置き手紙があってそこには一言だけ『ありがとう』なんて書いてあって彼とは仲直りができた

体調はすっかり良くなった為外に出て久々に空気が吸いたいと思い、施設の内容も分からずに部屋の外へ出た



(やっぱり広いなぁ)



奥様の屋敷よりもかなり広いのがこの代表貴族の豪邸。天宮様なんかは城に住んでいるのだから王子様なのではと思ってしまう節もあるけれども

訳もわからずとりあえずそれっぽい扉を開いてみるとどこかへ繋がっている外廊下がありそこを歩いていくことにした

所々にたくさんの草木が生い茂っていて手入れの方もかなり優れている。さすがサニーフォレストの御屋敷

するとかなり歩いてきたのか中庭のような場所まで来てしまった。私はそろそろ充分かなと思い来た道を戻ろうとしたところ何やら囲んで刀を構える兵士の姿が見えた



「剣の太刀筋が甘い！」

「はい！」



あの声は…浦田さん？

五人の兵士に剣の先を向けられる中彼は一人でその中心に立ち兵士のバラバラとくる攻撃に対し次々と華麗に避けていた

というか浦田さんって剣術できたんだ…



「おはようAちゃん」



突如後ろから聞こえてきたのは女性の声帯に近いソプラノの声、振り向くと陽の光に反射して銀髪に見える月白の髪色と兎のようなルビィの瞳



「相川さん？」



・

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す