sugar×28 ページ29
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「…し、ま?」
私が驚いたのは志麻がなんの知らせもしていないはずなのにここにいることを分かったことではなく、いつも身体にある小さな翼と尻尾と頭に赤黒いツノが生えていないところだった
それどころか黒い長袖のパーカーとベージュに近いクロップドパンツ、暗めの紫のスニーカーを身につけていてまるで本物の人間になったのではないかとその姿に対して驚嘆していた
志麻…って人間?
「…お兄さんどうかなされましたか?ここの敷地内には関係者以外立ち入りを禁止しておりますので無闇に立ち入らないほうがよろしいのでは?」
みなみはこの事態に対してなんの動揺もみせることもなく丁寧にお手本のような対応の仕方を見せてみた。けれど周りの奴らはこの有様であるが故に表情が固まっていて顔に少々出てしまっている。
「あ、一応言っとくけど俺は“不法侵入者”やなくて“関係者のツテ”。折原千里っているやろ?あれ俺の知り合いやから」
これ証拠な、と彼のジーパンのポケットからお客様通し用のパスを見せびらかして志麻の手元にゆらゆらとぶら下がっていた
折原先生の情報に関しては一切伝えてなかったはずなのになんで知ってるんだろう
「まぁそーいうことでアンタらの方こそ犯罪未遂っていうやつやから。一応救済措置としてソイツ離したらこの状況見逃しておいてやってもええんやけど。どうする?」
みなみはまだ表情を変えることも無いけどそりゃあそうだ。みなみには私の目の前にいる男達がいるから状況としては一対四。圧倒的に人数では勝っている
「…貴方が誰であろうともこの場を口封じしてくれる保証はないでしょ。ましてや信憑性がないし」
「へぇ。じゃあやるの」
他の男達は一斉に立ちあがり志麻の方へと近づいていった。けれどこんな所で大事になったらただじゃ済まないんじゃ…
しかし志麻もそんなことは気にせずに手の指を鳴らしながら戦闘態勢に入っていた
「あ、ちなみにアンタの周りにいる取り巻きやっけ?1人逃げたヤツおるけどその他の奴らの状態、見てみ」
不敵な笑みを浮べる志麻に言われた通りみなみの後ろを覗き見れば傷は一つもついていないもののぐったりとしながら横たわって気絶していた
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夜紅茶(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます!続編を希望していただきありがたいです!一応こぼれ話としてなにか書けないか検討してみます! (2022年4月2日 11時) (レス) id: 2017f33955 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年2月21日 4時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - さざんかさん» コメントしていただきありがとうございます!今後も作品を見守っていただければ幸いです! (2020年4月13日 9時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 普段全く他の方の作品にコメントする事はないのですが、この作品は本当にドストライクなので初コメ失礼致します…!完結おめでとうございます!悪魔と天使のお話も凄く深いなと思いました。。伏線も凄く気になります…!今作品関連作品が出たらまた読ませて頂きます!! (2020年4月13日 2時) (レス) id: 63429259c8 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - コメント、評価をしていただきありがとうございます!ご期待に添えるよう努力していく次第なのでよろしくお願いします! (2020年4月3日 22時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/
作成日時:2020年2月24日 22時