32.嫉妬 ページ35
前を歩く天月くんとまふくん。
真ん中を歩くくそらるさん。
後ろを歩く伊東さん、と私。
「……………」
しかしいつもながらに帰り道はお互い無言だ。
それは慣れている。
しかし伊東さんの顔が不機嫌なのが気になる。
「伊東さん？」
「はい」
「なぜ、不機嫌な顔を？」
「元々ですよ」
そんなわけないのだがこれ以上聞いても無駄だ。
きっと同じようなことが返ってくる。
「じゃあ僕たちこっちだから」
「Aちゃんばいばいー！」
前方で手を大きく振るまふくん。
少しだけ手を振りかえすと喜んで歩き出した。
「じゃ、歌詞太郎も頑張れよ」
「……………え！？」
そらるさんもフッと笑って行ってしまった。
見れば時計の針は随分進んでいる。
時間が早いと感じたのは久しぶりだった。
あんなに賑やかなのも久しぶりだった。
「いい人たちですね」
「………たち、じゃなくて…」
伊東さんは顔をうつむかせる。
先程の言葉は消え入りそうな声だったがしっかり聞こえた。
伊東さん？と顔を伺ってみる。
「…お、俺を見てください…」
真っ赤な伊東さんはその場にしゃがみこんでしまった。
髪の毛の隙間から見える耳は赤い。
「……と、いいますと？」
「…ヤキモチ、ですね……嫉妬です…」
ようやく赤みが引いてきたのか顔を上げ私を見上げる伊東さん。
「…まふくんや天月くんだけ名前で呼んだり楽しそうに話したり…」
話してま恥ずかしくなってきたのか頬が微かに赤い。
「俺も、いるんですよ」
「はい」
うああ、とまた膝に顔を埋めさせる伊東さん。
不覚にも可愛いと思ってしまう。
「すみません、俺こんなんで…」
「ふふ、可愛いですよ……歌詞太郎さん」
初めて口にする彼の名前。
それを聞いた彼はまた耳まで赤くなる。
「可愛いは余計です…Aさん」
耳を隠し照れたように言う歌詞太郎さんを愛おしいと思った。
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鹿瀬(プロフ) - 皆様本当にありがとうございました！ (2014年10月28日 7時) (
レス) id: b122fd8ac6 (このIDを非表示/違反報告)
綾結(プロフ) - 鹿さん復活待ってました！無理なさらないようにしてくださいね！気長に続き楽しみにしてます…！ (2014年10月22日 15時) (レス) id: a803a1e4da (このIDを非表示/違反報告)
灰猫ノン＠ETA静岡1101参戦!!(プロフ) - 鹿瀬さん大好きです!復活本当に嬉しいです。タイトルからして神作品っていうのが出てますよね…。更新楽しみにしてます。尊敬しております、鹿瀬さま!! (2014年10月19日 0時) (レス) id: 1fdc1852b6 (このIDを非表示/違反報告)
まりんはクズ(プロフ) - 鹿さんの文章本当に好きです！更新待っておりますがお身体は大事にしてくださいな！ (2014年10月17日 22時) (レス) id: 6a7e562d79 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(３人目)＠ついった(プロフ) - タイトルが素敵でつられてきたら鹿瀬さんでびっくりです!!ご無理なさらず、のんびりさんで頑張ってください(^^)/…更新待ってまｓ(( (2014年10月17日 22時) (レス) id: 1b9f958ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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