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50話 ページ10

「ゲホッ、ハァハァ、!!」


あの場からただ逃げる事だけを考えて走り続けた。


これ以上、あの人に囚われないように、
これ以上、忘れられなくなる前に、
これ以上、あの頃の気持ちを思い出してしまう前に、



「おや?おかえりA。どこに行っておったんじゃ?」



逃げた先、私は真っ先に本部の姐さんの元へ駆け込んだ。


姐さんには昔から兄さんと一緒に世話を焼いてもらって、兄さんが居ない今、一番安心する場所だからだ。


「、っ姐さん、」



姐さんの胸に飛び込み、私は声を殺して泣いた。

その涙は現状整理が出来ていないせいか、
もしかしたらあの人との再会を喜んでいるせいかは分からない。



けれど私の涙は止まらなかった。



「……泣きたい時は泣きたいだけ泣くといい。(わっち)が好きなだけ愚痴だろうとなんだろうと聞いてやる。」



姐さんはいきなり泣き出した私にそう優しく言ってくれた。


だから私は姐さんに少しづつ、ポツポツと事の顛末を話し出した。


太宰さんに会ったこと、
置いていってはいないと言われたこと、
昔と変わらず愛してると言われたこと、



少しづつ現状整理をするように話していく。
話していくにつれ姐さんがどんな思いを抱いたのか、どんな顔をしていたのかは分からない



「お主も大変じゃったのぅ。……今日はゆっくりしておれ。」



けれど気づいたら私は姐さんの優しい言葉と同時に泣き疲れて眠っていた。

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山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 全然大丈夫です!もう描いてもらえるだけで本当にありがたいんで!! (2019年2月27日 23時) (レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です!少し絵柄が違うかもしれませんが、その時はすみません... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - ゆちよきしさん» 描いてもらえるだけで本当に嬉しいのでどちらでも大丈夫です!描いてくれて本当にありがとうございます! (2019年2月27日 22時) (レス) id: 8fa618dd04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 夢主ちゃんのことなのですが...4年前と現在の姿は別々のイラストが良いですか?それとも一緒の方が良いですか?2パターン描いてはいるのですが... (2019年2月27日 22時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 山猫さん» 了解です!いえいえ!!ありがとうございました! (2019年2月19日 8時) (レス) id: 74d3721888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山猫 | 作成日時:2019年2月9日 14時

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