双黒(小)の妹は自分を置いて行った包帯の付属品を忘れることに決めたようで。

80話 ページ47

「このギルドとの戦いが終わったら、××に来てよ。場所は知ってるだろう？」


「……昔、ポートマフィアが潰した組の拠点で、今は確か廃墟になってましたよね。」


「そう、彼処なら二人きりで話せるだろう。」


ニコリと道化のような笑みの太宰さん。



「……貴方は組織の裏切り者です。そんな人間が、裏切った組織の人間と二人っきりで会うなんて……殺してほしいんですか？」



「……ふふっ、そうだねぇ。君に殺される最後というのも悪くはないが……君では私を殺せない。」



太宰さんは少し愉しげにわらうがそのわらいは作られている気がしてならなかった。


「今回、私と中也が双黒として動いたことで停戦協定が組まれた。これがどういうことか、賢い君なら分かるだろう？」


停戦中の相手に攻撃を仕掛けたら罰せられるのは私であり、この人は死ねて喜ぶだけと言うわけか。



「……性格最悪ですね。」


「酷いなぁ〜」



やはり太宰さんは何処か子供らしく、しかし道化らしくわらう。



「……私、絶対に行きませんよ。貴方と会って話す事なんてありませんし、そもそも私は貴方のことが嫌いです。」


「……へぇ。」


しかし、私の言葉を皮切りに、太宰さんのわらいはピタリと止まる。

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