双黒(小)の妹は自分を置いて行った包帯の付属品を忘れることに決めたようで。

77話 ページ44

芥川君との会話した夜、私は首領に呼び出された。


最近よく呼び出されるな、と思いつつも一声かけて大きな首領室のドアを開く。



「あぁ、よく来てくれたね。A君。」



そこに居たのは首領と広津さん。
珍しく近くにはエリス嬢は居ない。



「実はね、A君に頼みたいことがあってねぇ。」


「はい、なんなりと申し付け下さい。」


軽く頭を下げて首領の命を待つ。



「実はね、今日の密会で探偵社との協力が決まったのだよ。……それでね、手始めにQの奪還に双黒が動いているのだけど、」



様々な情報が頭を回る、
久作君の奪還計画？
双黒、ということは兄さんと太宰さんが？


あの二人は久作君を嫌っていたはずだけど、



「恐らくギルドもQを取られないため誰か駒を置いているだろう。……ギルドは強い。もしかしたら中也君は汚濁を使うかもしれない。だからね、二人の仕事が終わった頃に様子を見てきて欲しいのだよ。」



“ついでに中也君と仲直りしてきなさい。”


そう言って首領はニコリと笑うと“頼んだよ”と言った。

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