消えゆく希望とは。 ページ28
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ピッ...ピッ...
規則的になる機械音が妙な焦燥感を出させる。
その中で微かに聞こえてくる、人工呼吸器のお陰で呼吸をするAはただ眠っているだけに見えた。
しかし頭や腕、脚、恐らく入院服で隠れている箇所の包帯や頬にあるガーゼが1時間前の出来事を物語っている。
中也はAが眠るベッド近くの壁に背中を預け、寝顔を見つめていた。
中也と芥川がAの元へ着いたのは、Aが意識を失ってすぐだった。
泣きながら謝る樋口を芥川に任せ本棚からAを救出し、即マフィア傘下の病院へ駆け込んだ。
緊急治療が行われ、一命は取り留めたものの何時意識が戻るか判らないというのが担当医の見解だった。
マフィアには全くと言っていい程似合わない、真っ白な病室にAは移された。
「A...」
Aの頬に黒い手袋をした手が触れる。
普段の大人っぽい顔立ちは今や年相応の、あどけない寝顔である。
「......ホントこいつ、無駄に顔整ってやがんな」
ぎゅむっと頬をつまむ。
寝ている怪我人にすることじゃないが、残念ながら注意する者はいない。
暫くしてからゆっくり離し、包帯が巻かれている頭をそっと撫でた。
「首領は俺らに任せろ。だから手前はさっさと目覚ませ」
聞こえることも、返事がくることもない。
けれど確かに言葉を残して、病室を去った。
数十分後、マフィア本部に探偵社が奇襲を仕掛けた。
与謝野、谷崎、賢治、鏡花のマフィアとほぼ同等の戦闘力を持つ四人。
しかし梶井の『檸檬花道』により一時退却。
乱歩は、ポーの異能を借りて中也と戦闘。
国木田と敦は少しでも情報を得ようと花袋の元へ訪れた。
が、彼は姿を眩ませてしまい消息不明。
そんな中、驚愕の出来事が起こった。
「全員、戦線構築を中止!首領が病床より消えた!」
「社長が消えた!?」
同時刻、双方の長が姿を消した。
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時