百七拾二、でっち上げ ページ22
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土「………で?これは何だ」
「だから、見たまんまでしょう」
土「…一から全部説明しろ。今すぐ」
そう言って“報告書”の文字をトントンと指で叩く土方さん
あれから一夜明け、土方さんの部屋に呼び出された私はそれを提出していた
報告書は報告書であって、報告書以外の何物でも無いのだけれど
…まあ、そんなことを言ってないことくらいは分かる
「昨日、攘夷志士達の抗争の場面にたまたま通りかかった。非番だったから取り締まることは出来なかったけど、その中に田安が居たのを確認した」
土「んで、そいつは浪士の一人に殺されたと?」
「そう」
ちゃんと内容理解してるじゃない、と言ってやると睨まれた
ごめん、今のはただの皮肉
「行って見ればわかる。まだ今日も死体は転がってるはずよ。そいつの仲間達が回収してたら知らないけど」
土「言われなくとももう四番隊を回してある」
「さすが副長」
もちろん全部でっち上げだけど、土方さんは勘のいい人だから全部分かってるようで
土「…それで突き通すのか」
「何のこと」
土「なにか証拠上がったら逃げらんねぇぞ」
「逃げる必要ある?私は
しばらく沈黙した後ため息をついた土方さんは、引き出しから何かを取り出した
ん、と押し付けられ、見てみればそれは大量の白紙の始末書
土「…取り敢えず始末書な。必要があればまた呼び出すから部屋に居ろ」
「……………はい」
土「それと…」
真っ直ぐとこっちを見る彼から目を逸らしたくても逸らせなかった
土「…何で殺した」
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時