第二十一話. ページ22
『此処が…お父さんとお母さんの居る場所』
ヨコハマ中心地の大きな建物
何処迄見上げようと終わりの無い青空に伸びるビルには
其の青空と対比するかの様に漂う重苦しい雰囲気が在った
とは云え、何度か来た事が在り、若干の慣れを感じる
今のポートマフィアの首領は横暴だと耳にするが、抑々私は構成員でも何でも無い
其の為、関係は余り無い、筈
そう呑気な事を考え乍も、一定の速度で淡々と昇る無機質な空間の昇降機に私は居る
ちんっ、と云う音を合図に最上階へと到着した
目の前には私よりもうんと背の高い扉。此の扉の向こうに二人が居る
「あの子は…っ!あの子は私たちの、唯一の光です」
「関係無い。殺せ、殺すんだ」
「殺す利益など何処にも在りません。首領…!」
「いいや。彼奴…御前達の娘、Aは生きて居るだけで厄介な異能力者じゃ」
“早急に殺せ”
手の震えが止まらなかった。其れと同時に襲われたのは絶望の感情
私の異能は
生きているだけで厄介だ_____
明らかにそう提示されたから
『私の異能は…素敵で格好良いって、そうじゃ無かったの…』
嗚呼、そうか。と頭の中で全ての回路が繋がった
両親が日頃心底疲れた表情や振舞いだったのも、私の異能のせい
私の異能が厄介なばかりに…
其れを隠し留める事に、相当な疲弊が付き纏って居たに違い無い
『………っは、』
自身に対する嫌悪感から、無意識に扉に寄り掛かって居た様で
途端、ふわりと内蔵の浮遊する感覚に襲われ、其れと共に身体は前へ傾いた
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凜(プロフ) - 伊月さん» コメントありがとうございます!物語の構成は創る以前に練った部分もあるのでお気付きになって貰えて嬉しいばかりです……!深夜帯の方が泣ける可能性何故か高いですよね、笑今度も精進して参ります!本当にありがとうございます! (2021年10月21日 21時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 物凄くよかったです!文体がめちゃくちゃ私好みな上、物語の構成がもう涙しか誘わない...泣けなかったけどもw 深夜に読んでこっそり泣こうかな。表現とかもすごく綺麗で、とても参考になりました。漢字沢山使ってて文ストっぽくて好きです!活動応援してますね! (2021年10月18日 12時) (レス) @page50 id: db73aa45c7 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!神作だなんて私には勿体ない程ありがたいお言葉を頂いてしまって……、、文才ももう褒めてもらえて幸せでいっぱいです!私もそのように優しい主様に出会えて良かったです!ありがとうございます…! (2021年10月6日 0時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - いや、真面目に泣きました。神作過ぎます、、、、、こんなの見れて今日は私の命日なのかな?感動しましたし、作者さまの文才が凄いですね!こんな神作、もう出会えないかも知れない。出会えて良かった、、、、、 (2021年10月4日 23時) (レス) @page49 id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!そのような嬉しいお言葉をいただけて私も幸せですし泣きそうです…、感動できる作品創りを心掛けて居るので良かったです…!本当にありがとうございます! (2021年9月23日 20時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜 | 作成日時:2021年5月28日 21時