おかあさんではありません！2【浦.島.坂.田.船】

あまい ページ37

「センラさんは食べないんですか？」
「見てるだけで胸焼けするわ」

山のように盛られた生クリームを見て「うっ...」と口に手を当てるセンラさん。
こちらとしては全部食べられてラッキーだ。

「.......おいし？」
「はい、とても」

「ふーん」と呟いたセンラさんの目が一瞬ぎらりとした気がした。
口に持っていこうとしていたフォークを手ごと掴まれ、生クリームのたっぷり乗った一口サイズのパンケーキがセンラさんの口へ吸い込まれていった。

「ん、甘っ」

突然のことにあんぐりと口を開けてしまった。
この人は一体何をやっているのだ。

「な、にやってるんですか」
「.......何？照れてるん？」

「顔赤いで」と指摘され、隠すようにパンケーキを頬張った。

「間接ちゅーやな」
「.......中学生みたいなこと言わないでください」
「...ドキドキした？」
「してません」

絶対にしてません！
と自分に言い聞かせるようにもう一度言うと、「つまらん」とセンラさんはため息を吐いた。
ため息をつきたいのはこっちの方だ。
もっと自覚を持って欲しい。

「炎上しますよ」
「Aちゃんとならええよ」

にこりと笑って言われたので、テーブルの下にある長いセンラさんの足を蹴飛ばしてやった。

「いった！何するんよ」
「自覚が足りないようなので」


(ふざけたこと言ってないで食べるの手伝ってください)
(は？2つ食べるんやろ)
(.......おなかいっぱい)
(食べきれんのに頼んで...子供か！)

それは突然→←ふつう

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す