おかあさんではありません！2【浦.島.坂.田.船】

黒歴史2 ページ20

「え、待って、私の話聞いてました？これ結構辛い過去だって言いましたよね？え？なんで？」
「大丈夫大丈夫、乗り越えてこ」
「軽く言わないでください！！」

サムズアップしたセンラさんの親指をへし曲げる。

「お前の歌を評価したのはお前のことをウザイって言ってたやつだろ？そんなやつの言うことなんか信じる方が馬鹿なんだよ」

画面から目を離さずうらたさんは続ける。

「俺達がちゃんと聞いてやるよ、Aの歌」
「うらたさん.......って、ドヤ顔してますけどただ動画見たいだけですよね！？」
「うるせーな！お前どれだよ！」
「教えるわけないじゃないですか！」
「5分の1だろ！？探してやる！」

有難いことに古い動画のせいか画質が荒い。
10年じゃ顔も変わっているしすぐには分からないだろう。
この隙にパソコンのコンセントを抜いてしまおうかと思っていると、「あ！」と坂田さんが声を上げた。

「これやろ？このショートカットの子」
「ショートカット！？」

すかさず志麻さんが画面に食いついた。

「な、なんで分かったんですか...？」
「え、A全然変わってないやん。可愛ええよ」

いやいや、全然違うって！
体重も5キロ増えてるしお肌の曲がり角が鋭角にきているせいで肌にハリもないし！

「ちょ、おま、お前ぇ！これショートカットに生足やんか！！」

興奮した志麻さんが詰め寄ってくる。
肩を掴まれそのままガクガクと揺さぶられ気持ち悪い。

「若気の至りですよ！キャラ被らないように短くしてたんです！」
「10年前に戻れぇぇ！」



(無理言うな)

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