検索窓
今日:14 hit、昨日:21 hit、合計:487,698 hit

ありがとうだけじゃ足りない ページ13

それからはもうあっという間だった。

男に飛び掛った坂田さん。
力が緩んだ隙に私を引き寄せてくれたセンラさん。
男が動けないように地面にねじ伏せた志麻さん。
いつの間にか警察に連絡していたうらたさん。

そのおかげで男はあっさりと駆けつけた警察に捕まった。

「なんで!?Aちゃん!結婚しようって言ったのに!嘘つき!!このクソ女!!」

パトカーに乗せられるまで男の怒号は続いた。
センラさんが私を抱きしめて壁になってくれたけど、それは耳に張り付いて頭に響いていく。

「Aちゃん、大丈夫?」
「あ、はい。ありがとうございます」

センラさんの胸を軽く押して離れる。
未だに震える体を抑えようと拳を握ると、坂田さんにそれをやんわりと制された。

「あ...坂田さん、大丈夫ですか?怪我とか...志麻さんも...!」
「俺らの心配なんかせんでええねん」
「え?」
「怖かったならちゃんと言って。泣きたいなら俺らの前で泣いて」

そのまま坂田さんにぎゅうっと抱きしめられた。
頭の上からぽつりぽつりと落ちてくる、少し掠れた心地の良い声に体の緊張が取れていくような感じがした。

「.....っ、こわ、こわかった、です」
「.....うん」
「きゅ、急に腕つかまれて、それで...」
「もう大丈夫、皆おるから」

安心感からかまるで子供のようにしゃくりあげて泣いてしまう。
その間坂田さんはただ黙って抱きしめてくれた。
頭をうらたさんに撫でられ、志麻さんに背中をリズムよく叩かれ、センラさんはずっと「大丈夫、大丈夫」とあやすように言ってくれた。

この4人が来てくれなかったらと、考えると本当にゾッとした。


(ありがとうなんて言葉じゃ全然足りないや)

私の事情→←スーパーヒーロー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (320 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
838人がお気に入り
設定タグ:歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まろまゆこ(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!嬉しいですヽ(*´∀`)ノ (2019年4月5日 20時) (レス) id: 67560b2a77 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - めっちゃ面白いですね!歌い手好きから見るともうたまりません!!(*´ω`*) (2019年4月5日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - くろすけ。さん» ありがとうございます!嬉しいです(*´∀`*)頑張ります! (2019年4月5日 10時) (レス) id: 67560b2a77 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ。 - ちょ、夢主ちゃん可愛すぎですか!めっちゃくそおもろいですよ!これからも更新ふぁいとぉいっぱつですよ! (2019年4月5日 9時) (レス) id: 3c51fdbe70 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆこ(プロフ) - じゅうさん» コメントありがとうございます!頑張ります(*´ェ`*) (2019年4月4日 11時) (レス) id: 67560b2a77 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まろまゆこ | 作成日時:2019年3月31日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。