ダイヤモンドリリーの咲く頃に [文豪ストレイドッグス] [中島敦]

二十八輪目 ページ29

敦side
「すっごい楽しかった〜、今日は連れてきてくれてありがとう」


にっこりと微笑みながらこちらを見て言う


「僕もAちゃんと一緒に出かけられて、すごく楽しかったよ！」


「また、時間があったら一緒に行こう！」 「うん」


今は公園のベンチに二人で並んで座っている


本当に楽しかったなぁ、いつもと少し違う一面が見れてなんか新鮮だったし


何よりも時間が流れるのがすごく早かった。もっと一緒に居たかったな


空を見上げれば、月が綺麗に輝いている


そうだ、今日が終わっちゃう前に『告白』しないと 僕はあることを思い出した


景色に自分の気持ちを隠して告白するっていうのがあるんだっけ


この前に告白の仕方を調べてたらいろいろ出てきた


『夕日が綺麗ですね』とかがあった気がする 意味は忘れちゃったけど……


他にも十種類ぐらいはあったと思う


横目にAちゃんを見ると、静かに空を見上げている


綺麗だなぁ、夜空も月も星もAちゃんも


その時ふと、ある言葉を思い出した


その言葉は、今の僕の気持ちと空を見上げるAちゃんにぴったりだった


気づいてもらえないかもしれない。だけど、気持ちを止めることが出来なかった


「Aちゃん、月が綺麗ですね」

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