第26話 十人十色 ページ30
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胡「水を飲んだ方がいいですね」
しのぶちゃんは鎮痛薬入りの水を炭治郎くんに飲ませた。
彼は2口程喉を通すと痛みが引いたのか話し始める。
炭「……俺の妹は鬼になりました
だけど人を喰ったことはないんです
今までも、これからも、人を傷つけることは絶対にしません」
伊「くだらない妄言を吐き散らすな
そもそも身内なら庇って当たり前
言うこと全て信用できない、俺は信用しない」
悲「あああ…鬼に取り憑かれているのだ
早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」
伊黒さんが言っていることは正しい。
炭治郎くんが言っていることが本当でも「そうなんですね、じゃあ鬼を生かしましょう」なんてことはあってはならない。
鬼を生かすのならば言葉だけでは足りないのだ。
炭「聞いてください!!
俺は禰豆子を治すため剣士になったんです!
禰豆子が鬼になったのは2年以上前のことでその間禰豆子は人を喰ったりしてない!」
宇「話が地味にぐるぐる回ってるぞ、アホが
人を喰ってないこと、これからも喰わないこと
口先だけでなくド派手に証明してみせろ」
無「Aさん、あの鳥…」
貴「ちょっと待っててね、無一郎くん」
無一郎くんの問いを制して、1歩前に出る。
貴「あの、すみません
炭治郎くんと鬼の妹さんを"拘束"と伝令を受けたんです
ということは、お館様はこのことを把握しているはずですよね?
勝手に処分するのは少し問題かと…」
「「「……」」」
確かに。
そう言わんばかりの沈黙が流れた。
炭「妹は俺と一緒に戦えます!
鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!
だから───」
死「オイオイ
何だか面白いことになってるなァ」
「困ります、不死川様!
どうか箱を手放してくださいませ」
姿を見せないと思ってましたけど、何やってるんですか不死川さん。隠の皆さんを困らせて。
不死川さんは左手に小さな子供が入るくらいの大きさ木箱を持って来た。きっとあの中に鬼の禰豆子ちゃんが入っているのだろう。
「胡蝶様、申し訳ありません…」
胡「不死川さん
勝手なことをしないでください」
珍しく怒っている様子のしのぶちゃんを見ていると袖を少し引っ張られた。
後ろを振り向くと無一郎くんが少しムスッとして私の袖を掴んでいた。
無「Aさん
僕ずっと待ってるんだけど」
貴「あっ、ごめんね
さっきのはトンビだよ」
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時