15.〈デジャヴ?〉 ページ16
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………アレ、これがデジャヴってやつですか。
『…何を企んでるのか知りませんけど、お断りします』
私がそう静かに答えれば、森さんは少し驚いたように僅かに目を丸くした。
「おや…もう少し驚くと思ったんだがね」
『残念でしたね。私は探偵社を裏切る心算はこれっぽっちも無いので』
昨日と同じような言葉を返してにこーっと笑う。
新生組合なる組織に勧誘されたのが昨日。
そして今日はポートマフィア。
真逆、二日の間に二回も勧誘を受けるとはねえ…
敵組織にモテたって全然嬉しくないんだけど。
一周回って今私の頭は冷静になっている。
昨日ので慣れてしまったのか。
「…まあ予想通りの答えだな。私も君をそう簡単に引き入れられるとは思ってないよ」
『あなたも諦めないんですね…本当執拗い』
嫌悪で顔を歪める。
何処までもフィッツジェラルドさんと同じで、本当嫌になる。
「ふふ、懐かしいねその顔。私がドレスを着せようとすると何時もその顔をしていたよ」
『…………』
対して森さんは若干デレっとした顔で笑った。
…何してくれてんだこのロリコン。
と思わず云いそうになるのを抑える。
でもこれでアルバムに何故かヒラヒラしたワンピースやらドレスを着た写真が多い理由が判った。
「あら?A!あなたAでしょう!?」
『え、』
声のした方を見ると、金髪の可愛らしい幼女が黒服の男を従えて此方へ走って来るところだった。
「やっぱり!久しぶりね!」
『うわっ』
椅子から転げ落ちそうになり乍らも、思い切り抱きついてきた幼女を受け止める。
それを見た森さんが「先ずは私の所へ来るものじゃないのかい?」と泣きそうな声で云うと、
「リンタロウ五月蝿い!」
と一喝されテーブルに項垂れた。
私はそんな様子を見て苦笑いをする。
『アハハ……相変わらずだね、エリスちゃん…』
「あら、覚えてたのね!嬉しい!」
彼女…エリスちゃんは森さんの異能であり、昔よく遊び相手になってくれた。
異能とは云えど、十年前と見た目が変わらなさ過ぎて少し違和感を感じる。
「ぐぬぬ……羨ましい」
膝の上に乗るエリスちゃんを見て何故か悔しそうに私の方を見て来る森さん。
………ロリコン具合は相変わらずのようだ。
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奏翔 - とても面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2023年3月21日 20時) (レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます!( ;ᵕ; ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚めっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです…😭更新頑張ります! (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年4月28日 20時